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#016 – サーフなお家の実例集

#016 – サーフなお家の実例集
(テピーハートが掲げるコンセプトのひとつ、“再生”をテーマに活動するゆかりのあるクリエイターたちもよくこの家に集まる)
 
 
 
 
プライベートとパブリックなスペースがゆるやかに溶け合う空間を
意識的にデザインすることで、近しいコミュニティに暮らす人々が
気兼ねなく集える場にした、こちらの住まい。
“人が自然と集まる家”とはどんなものか、探ってみよう。
 
 
 ***
 
 
 
 

#016

人が自然と集まる家
神奈川・鎌倉

 

 

 

クラシカルなブレイクを横目に丘を上り、閑静な住宅街を進むとあらわれるスクエアの家。

 

Rの効いた集合体と塗り壁の質感は至極オーガニックかつどっしりとした佇まいで、ここを訪れる人々を受け入れんばかりに青空の下、扉を開いている。

 

(スウェーデン製の木製サッシ。機能性、メンテナンスのしやすさ、ルックスと、三拍子が揃っている。最近では日本の住宅でも取り扱いが増えている)

 

この建物は、鎌倉界隈で住宅の設計・施工を請け負うテピーハート西尾氏の自宅兼ショールーム。

 

鉤型の家屋に囲まれたガーデンポーチには、樹齢200年といわれるオリーブの古木をシンボルツリーに迎え、この家でまず最初に足を踏み入れる心地よく開かれた憩いの場を創造している。

 

「コンセプトのひとつにしたのが、“人が自然と集まる家”。

下階はプライベートとパブリックなスペースとがゆるやかに溶け合うような空間づくりにしてあるんです」

 

(屋内の漆喰壁はなんと厚みが15㎜! どことなくオーガニックな柔らかさを感じるのはそのためだ)
(1階のフロアは大部分がモルタルの土間仕上げで、パブリックとプライベートな空間とが緩やかにつながっている。写真での立ち位置はちょうどその境界で、奥にはプライベートスペースが広がる)

 

1階部分はスウェーデン製の木製サッシを採用し、LDKへとつながる大開口扉、玄関、そして店舗スペースへのエントランスと、建物への入口が3箇所もある。

そして、屋内へ進むとすべての空間がモルタル土間でつながっている。

これは多人数での集まりも演出しやすい設計だ。

 

「禍で家にいる機会も多くなり、働き方もより自由になったことで、少しお金をかけてでも視覚的に凝ったデザインを新築に組み込むお客様が増えています。

公私の空間がゆるやかに融合し、開かれたスペースには近しいコミュニティにいる人々が集まり、それぞれが好きな小商いにつなげられるような場を棲み家に付加することは、住まいのひとつのスタンダードになってくると思います」

 

撮影当日も店舗スペースでは地元作家のワークショップが催され、どことなく賑やかだった。

 

(1階の店舗スペースはこの住宅のパブリックな空間。地元作家がワークショップを行なったりと近隣のコミュニティに開かれた場だ。写真では見えないが右手奥には奥さまが主宰する犬のトリミングサロンも併設している)
(天井のかざり梁は雰囲気のある新しい木材にヴィンテージ加工を施し、経年変化さながらの演出を加えている)

 

そして隣はLDK。

DK部分は三方が重厚なRの壁で囲まれ、まるでイスラム圏の建造物をイメージさせる、この家のシンボル的空間だ。

 

正面にはひと筋の長いカウンターが設られており、ここでも空間は感覚的に外へと開かれている。

通りがかりにフラッと吸い込まれてしまいそうな眺望も、“人が自然と集まる家”のコンセプトデザインと言える。

 

「ここは、わたしたち夫婦にとって2軒目の家なんです。

前の家は子育てもしていた、家族を守るために内を向いた家でした。例えば、外界とプライベートを遮断するため敷地を塀で囲ったり、家の窓を小さくして中庭をつくったりするのが、わかりやすい例です。

そしていま子離れをし、夫婦で再び地域のコミュニティと積極的な関わりを持ちたいと考えて建てたのが、外に開いたこの家です。

昔と違って人生は長くなり、さまざまなライフステージで家をフランクに住み替えていく時代に変わってきていると感じます」

 

(2階の主寝室。湘南の海からの光がまぶしく差し込む角部屋の特等席)
(住宅の所々に設られた個室のドアはトルコの遺跡カッパドキアで見られるようなR型の形状をオマージュしている。背の低い扉をくぐると、その奥には広い空間が広がっている)

 

もうひとつ、時代を反映しているのが、家を建てる若い世代のモノを大切にする再生の意識だ。

 

時間をともにしてきたテーブルなどの家具を、新しく建てる家の空間や雰囲気に合わせてリメイクして使い続けていくカップルも多いそうで、テピーハートはそのお手伝いもしている。

事実、オフィスの一角にはDIYの域を超えた、さまざまな工具がセットされていた。

 

(三方を重厚なRの壁で囲まれたダイニングキッチンはこの家のシンボル的空間。淡路島から取り寄せた本物の土を練り込みナチュラルに着色した漆喰をすべての壁に左官してある)

 

 

「弊社が掲げるもうひとつのテーマが“再生”です。

この場に集まってくれたサーファーやスノーサーファーの面々も再生をテーマに活動しています。

今日は来れなかったけど、みなさんもよく知る再生家、シェイパーでリペアマンの(小玉)ジョージとも、このテーマでオリジナルのインテリアをコラボしていく予定です」

 

ニューノーマル、コミュニティ、再生ーーエッジーなキーワードを多く含んだテピーハートの住空間プロデュース。

ピンと来た読者は一見の価値ありだ。

 

 

***

 

DATA

種別:注文住宅
居住者構成:夫婦+母
構造・規模:木造在来工法2階建て
敷地:307.61㎡(93.05坪)
建築:114.13㎡(34.52坪)
延床:169.58㎡(51.29坪)
設計:テピーハート

 

 

(印象的な外壁の左官は軽量モルタルに七里ヶ浜の土壌をイメージしたブラウンカラーの骨材をミックス。経験が成せる技。蒼い空とのコントラストが見事だ)

 

 

 

【この家を手がけた会社】

テピーハート
https://tepeeheart.jp

 

 

 

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2022年9月9日発売

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