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藤沢・湘南台駅からほど近い住宅地にガレージハウスが軒を連ねる一角がある。
瞬時に目に飛び込んでくるその外観は実に個性的で、私たちサーファーの琴線に触れる景観がそこにはある。
手がけたのは湘南レーベル。
藤沢と茅ヶ崎に展開する8HOTELをはじめ、建築を軸とした夢のある創造で湘南のライフスタイルを多角的に描き続けているクリエイティブ・カンパニーだ。
弊誌とはちょっとした所縁があり、過去にこれらのガレージハウス群へ入居者を募集する際、複数回に渡ってプロジェクトの進捗を誌面で紹介させていただいたり、モデルハウスのひとつを仲間たちとデコレートさせていただいたりした経緯がある。
あれから数年が経ったいま、どんな家族がどんなライフスタイルをここで送っているのか気になっていた。
この住まいの主は小林さんファミリー。旦那さまはサーファーだ。
ガレージと屋内とがつながるエントランス部には2本のロングボードがラックに収まり、傍らには季節ごとのウエットスーツが吊るされている。
そして、そのそばには数多くのハードシェル・ジャケットがラックにかけられ、そこから覗くヴィークルは4WD。
聞けば、ガレージの収納部分の扉の奥にはキャンプギアが所狭しと詰まっているという。
まさに、あのとき記事で描いていた理想のイメージを目の前にし、軽い心のたかぶりを覚えるのだった。
「サーフィンを始めて以来、車で1時間以上をかけてずっと神奈川の内陸から湘南へと通っていたので、海近の暮らしには憧れがありました。
この物件のことは実はBlue.の過去の連載で知ったんです。建物のコンセプト、そして立地的にも私たちの志向や生活圏と共通項が多く、それが気に入って購入しました」
小林さんたちがマイホームの購入を検討し始めた時期と、ガレージハウスの売り出し時期がちょうど重なっていたわけだ。
「ガレージの活用法はサーフィンやキャンプに関わること。
プラス、パーキングという用途もあるのですが、もうひとつ、悪天でも濡れることなく家に入れるという生活動線の部分。日々の暮らしでは意外と快適な要素なんです」
ガレージハウスは3フロアから構成されており、2番目のフロアが小林さんたちの主たる居住空間だ。
地上階から階段を上がるとダイニングとキッチンがあり、下方へと下がるスキップフロアを介してリビングと屋外デッキへ繋がっている。
フロアの高さが微妙に異なる仕切りのない空間は心地のよいリズムを感じさせてくれる。
窓の外は樹々から芽吹いたばかりの新緑の景色。
全開口できるサッシをすべて開けば、気持ちのいい風が部屋のなかを通り過ぎていく。
「夫婦ふたりで決めた、購入する家の絶対条件として、以前住んでいたマンションでは感じられなかった“風通しの良さ”という項目がありました。
この家はちょうど公園の前に位置していて、新たに他者の家が目の前に建つこともありません。
借景にもなっている公園の樹々の緑は季節ごとにいろんな表情を見せてくれ、またたくさんの鳥たちもやってきます。
夫も私もキャンプが大好きなんですが、極端な話、もう行かなくても大丈夫なくらい、毎日ここには気持ちのいい風が吹いています。
この家で子育てができて本当に良かった」
さきほどから、昼寝から目覚めたばかりの娘さんをあやす奥さまに窓辺でお話しをうかがっていると、こどもと公園を訪れるたくさんのママたちがこちらを見上げ、笑顔で小林さんたちに手を振ってくる。
美しい西陽が差し込むこのコミュニティに、優しくやわらかな時間が流れているのを肌で感じる瞬間だった。
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DATA
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種別:分譲住宅
居住者構成:夫婦+こども1人
構造・規模:在来工法木造2階建(地下ガレージ部分はRC造)
敷地:123.12㎡(37.24坪)
建築:54.65㎡(16.53坪)
延床:136.82㎡(41.39坪)
設計:湘南レーベル
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