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NINE LIGHTS
Mini Bob
◎シェイパー:ジェフ・ベック
◎ディメンション:5’5″×20 7/8×2 1/2
◎価格(新品):¥160,000+TAX
◎ライダー:市東重明pro(175cm/70Kg)
◎Photo:Kaoru Fujimoto
カリフォルニア・ハンティントンビーチ発のナインライツ・サーフボード。シェイパーのジェフ・ベックはシェイプからラミネートに至るまで、そのすべての行程をひとりで行うビルダーだ。手掛けるボードデザインは幅広く、ハイパフォーマンス・ショートボードからクラシックなロングボードまで様々。リサイクル可能なEPSを天然ウッドでコーティングしたモデルも有名で、いわゆる純クラシックというより、積極的に先進的な要素を取り入れるオルタナティブな気質が強い。
今回はそんな中から、EPSフォーム素材のパフォーマンス・ミニシモンズ「ミニボブ」を紹介したい。
ミニシモンズはそのファットなビジュアルもあり、「とにかくテイクオフが早い」「小波向け」という点にばかり着目されがち。しかし、しっかりと乗り込んだ経験のあるサーファーなら分かると思うが、ミニシモンズは幅と厚みで浮力を確保した分だけレングスを短くでき、遠心力の効いたカービングにはもってこいのモデルだ。また、全体的に厚みを取っているからこそ、シェイパーはレールやコンケーブに多くの工夫を凝らすことができる。
ご覧のジェフ・ベックのミニボブは、フラットロッカーでシングルコンケーブ。浅いフィッシュテールというデザイン。フラットロッカーと書いたが、ノーズのデッキ面を浅くスクープし、コンベックス気味のエントリーで非常にスムースな滑り出しを見せてくれる。また、EPSはファットなアウトラインのミニシモンズとは特に相性が良く、ボリュームを抑えながら浮力を確保するには最高の素材。ゆえにこのミニボブは幅が20 7/8″と、一般的なミニシモンズと比較したらひと回りナローだ。総じて、これら全体のバランスから考察できるフィーリングは、通常のフォーム&ラミネート仕上げのミニシモンズよりも、軽く・よく動き・シャープな乗り味を示してくれるだろうということ。ひと言でいえば「扱いやすい」はずだ。
そしてこのミニボブの個性を決定づけているのがこのフィン。一般的なミニシモンズによく使われるフィン形状は4層だが、ミニボブは9層の片面フォイル。これによりフィン外面のラウンドが強くなり、水の抵抗をより強く持たせる仕組みとなっている。
これは飛行機の翼が外面をラウンドさせ、強い空気抵抗により高く飛ぶ仕組みと同じ。つまり外側に引っ張る力を強くすることで回転性を向上し、ボード形状やEPSと相まって、非常に軽やかな動きを可能にしているというわけだ。
★ IMPRESSION ★
試乗した市東重明プロが発した言葉は「コントロール重視で安定性抜群」、「EPSならではの軽さによりパフォーマンスもしやすい」、「タイトなターンで小回りもきく」。
一見すると浮力たっぷりで扱いづらそうなアウトライン。
「ショートボーダーに最適なミニシモンズだね」と市東プロ。まさに的を射ぬいた感想かも。
レングスは短くても、幅のあるテールがリフトすることでテイクオフの早さは驚速。
カリフォルニア界隈では、写真集「VAN LIFE」のフォスター・ハンティントンなど、モノづくりに一家言あるサーファーたちにも支持されているナインライツ。ミニシモンズ=どれも同じ、ではない。全体的に厚みや幅を持たせているからこそ、シェイパーの個性を反映しやすいデザインなのだ。ジェフ・ベックのミニボブは、そのポテンシャルを最大限に活かしている。
=Special Thanks=
ホーリースモーク
TEL:045-914-5573
http://www.holysmoke.jp
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