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筋トレ0回で腹筋は割れるのか?

筋トレ0回で腹筋は割れるのか?

 

Blue Surf Club #009
「筋トレ0回で腹筋は割れるのか?」

 

筋トレがきらいです。

正確に書くと、きらいというか続きません。さらに正確に書くと、筋トレすると「(この筋肉を維持する、もしくは育てるために)俺はこれをずっとやり続けるのか!?」と自問してしまいます。

現役のうちに成績を残したいアスリートであれば、プラスαのトレーニングに励むのも納得です。でも“ライフスタイル”として何かのスポーツを楽しむ人に引退の二文字はありません。サーフィンの世界も歴10年、20年なんてザラだし、僕も願わくばずっと現役でいたいけど、セットで筋トレし続ける自分がどうしても想像できず……。

 

「筋トレはしない」という選択肢

 

もちろんパフォーマンスの向上を目指せば「筋力が必要」と感じる瞬間は当然あります。

仮にそれが半年や1年先にゴール設定があれば筋肉も育てがいがありますが、5年、10年、20年となると、そのモチベーションをキープするのは並大抵のことじゃありません。

僕はまったくもってアスリートではありませんが、少しだけ筋トレに励んだ時期があります。学生時代にバスケをやっていて、チームにトレーナーがいたのでそこそこ理論的に取り組みました。大きな水槽に全身ドボンして体脂肪率を計測したりも。

結論として筋トレの効果はパフォーマンス的にも実感できました。ただし、これは長期的な考えのトレーニングではなく、あくまで短期で結果を残すためのもの。現在はむしろ「自然についた筋肉以外は落としたい(軽くしたい)」です。

 

B_BSC009_Bluemag

(手前にひとりサーファーがいるのが分かりますか? 自分より大きなホワイトウォーター。外から見れば美しいけど、いざ轟音と共に目の前でブレイクされると相当な迫力です。もちろん水量もパワーも衝撃的。信じられるのは自分だけ。サーファーたちはひたすらパドリングで波の向こう側を目指すのです。体力もハートも試されるとき)

 

仮に100kgのバーベルを10回持ち上げられたとしても、パドリングを2時間続ける役には立ちません。それなら腕立て100回、さらに言えばチューブトレーニングの方が効果的ですよね。

最たる理想は、ナチュラルにサーフィンで仕上げたプロサーファーたちの体。

テイクオフなどの瞬発的なパドル(速筋)、絶えず腕を回し続ける持久的なパドル(遅筋)、その両方をサーフィン以外で鍛えるというのは、かなりの情熱と工夫がいると思います。

個人的には、ジムで筋トレに励むなら、その前にヨガを真剣にやる方が理想に近づけると感じます。体の可動域を広げつつ、呼吸を学んで心身を柔軟に整えて、素の自分が発揮できていない能力を最大限に引き出す、という観点で。

余談ですが、野球のイチローさんは筋トレをしないことで有名でしたね。近い考えのトップアスリートは他のスポーツでもけっこういますし、おそらくプロやエキスパートのサーファーにも筋トレをしない人はいっぱいいるでしょう。

 

D_BSC009_Bluemag(長い手足と個性的なスタイルで、僕が知るなかでも指折りにフォトジェニックなピッペン。体も無駄がないですね。パワーだけではこの繊細なバランスは得られません)

 

C_BSC009_Bluemag(サイズのある波から小波まで、そしてあらゆるサーフボードを乗りこなすオールラウンダーの市東重明。瞬発力も持久力も備える、サーフィンで仕上げたナチュラルな強い体)

 

目指せサーファーとしての当たり前

 

「サーフィンに必要な筋肉はサーフィンで鍛えるのが理想」なのは分かります。でも、一般のサーファーは仕事もあるし、波がない日だってあるし、海に入れる時間が限られているんですよね。

むしろサーフィン以外のトレーニングの必要性は、プロサーファー以上に、なかなか海に入れない一般サーファーの方が切実に感じてしているかもしれません。で、僕の場合はヨガではなくランニングを選びました。

 

筋トレは苦手。
いちばん高めたいのは持久力。
波がなくても発散したい。
自然に接しながらできる。
お金を掛けずにやれる。
100%マイペースでやれる。
世界のどこにいてもできる。

時間を捻出しやすい。
そもそも減量したい。

 

などなど。対して、僕自身がサーファーとして望む理想は決して高くないんです。

 

少しでも早くテイクオフして
より長く波に乗って
ガチでパドルしてもすぐ再始動できて
多少大きな波でも自分を信頼できて
波がよければ元気に2ラウンドこなせて
ちゃんと眠れば翌日は100%回復

 

うん、理想的。

つまり僕は、サーファーらしい当たり前のルーティンを、自分の満足いくレベルでこなせれば十分なのです。リッピングのキレとか、そういうのは求めてません。

そうなると、上半身の筋力アップ(パドル強化)を除けば僕にはランニングがベストだな、と。加えて問題の上半身の筋力も、体幹や持久力は走ることでも鍛えられます。回復が早くなればより長い時間、海で活動できますから、パドルをこなす機会も自然と増えるという考えです。

 

筋トレ0回で腹筋は割れるのか?

 

サーフィン以外は走るだけ。アレコレ手を出してもやりくりが大変になるだけだし、続ける自信もありません。走るだけなら、少なくとも頭のなかはシンプルでいられます(実際はとんでもなく深い世界だと知りましたが)。

ま、とりあえず走ることがサーフィンにもたらす効果を、純粋に検証してみたいなと思ってます。

 

で、僕の勝手なテーマ「筋トレ0回で腹筋を割れるのか?」ですが、最初の頃よりは確実にお腹の筋がはっきりしてきています(#001)。

 

01. 走りながら腹筋・呼吸を意識する。

02. ぜい肉を落とす。

 

そもそも腹筋というのは構造上割れてますから、この2つを実行すれば可能なはず。

あ、でも「うっすら(小声)」でいいんです。僕はムキムキとか体脂肪ヒトケタとかは目指してません。そこまでストイックに追い込んだらちょっとサボっただけでリバウンドしちゃいます。キープできません。

パフォーマンスとはまったく関係ないどうでもいいテーマですが、お気楽な遊び心もゆるくつづけるコツ。このテーマもまだ工夫したいことがあるので引き続き走ります。で、筋トレはやりません。

 

E_BSC009_ph_kumano

(日本を代表するトップサーファーの大野“MAR”修聖。命がけの波に体ひとつで挑む、サーフィンにおける究極の姿ですね。当然、体もすごくケアしています。MARくんの体作り、近い将来じっくり取材してみたいな)

 

つづく(はず)

 

Y. Toida / Chief editor of Blue. magazine.

 

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目次&パーソナルデータまとめ
http://www.blue-mag.com/wp/diary/bsc000/

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