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パタゴニア「ユーレックス・レギュレーター・ウエットスーツ」でLet’s Surf !

パタゴニア「ユーレックス・レギュレーター・ウエットスーツ」でLet’s Surf !

運動性能においてはもはや
ネオプレンとの性能差は見当たらない

メディアキャンプに来てくれた木下デイヴィッドさんはフード付きのR4を着用 ©Junji Kumano

まず、パタゴニアのユーレックス・レギュレーター・ウエットスーツはオーダーではなく、既製品であることが挙げられます。

日本のサーファーはオーダーに慣れているので、「フィットするかな?」と不安を感じる人もいるでしょう。しかし世界的には日本のほうがむしろ稀なケースで、ほとんどの国のサーファーたちはビギナーもエキスパートもなく、既製品のウエットスーツを愛用しています。ご覧のユーレックス天然ラバー然り、ネオプレン製のウエットスーツ然り、近年のウエットスーツ生地は伸縮率がとても高いので、試着して「きつい」「ゆるい」さえ感じなければ、既製品でもしっかり海で通用するはずです。

既製品のメリットは「今日ほしい」と思ったら(在庫さえあれば)すぐ入手できること。来週トリップへ行くことになっても余裕で間に合います。

さっそくR3を着用。4.5×3.5mmとは思えないすっきりした着用感。 ©Junji Kumano
Patagoniaウェブサイトより(2023年12月現在)

僕は身長178cm、体重68kg。体脂肪は13%程度で、やや筋肉質な体型だと思います。試着にあたり、上記パタゴニア公式のサイズ表にあてはめて、サイズは「M」をリクエストしました。

メディアキャンプ当日、海でスタッフの方からウエットスーツを手渡され着用してみると、うん、ピタッとした感じ。これまで着用してきたネオプレンとの感覚差か、4.5×3.5mmという厚さは数字よりもうすこし薄く感じます。「すこ~し生地を伸ばして着ている感じかな?」と思いながらもパフォーマンスを損なうようなつっぱりはなく、準備運動を含めて陸でのファースト・インプレッションは良好でした。

ちなみに、僕自身はユーレックス天然ラバーのウエットスーツはこれが2着目で、1着目(ロングジョン)のときにも感じていた「生地の耐久性が高そう」という印象は健在です。

一般的なネオプレン、特に高品質なものや生地厚があるものほどふんわりとした素材感(新品時)が特徴ですが、それは生地内のクロロプレンゴムに含まれる気泡の存在が大きいと思います。しかし年数を重ねると徐々にそれがへたっていき、機能が低下していきます(それとは別に紫外線による硬化なども理由となるので、ケアの仕方も大切です)。

一方で、数値的な根拠があるわけではないですが、ユーレックスの生地は使用感としてネオプレン以上に引っぱりや引っ掻き、摩擦への耐性の高さを感じます。生地に弾性がある、という印象です。

……そうなると、負荷が集中するのは縫製や接着面になってきますが、さまざまなアウトドア・アクティビティを通じて世界のエクストリームに挑み続けるパタゴニアが、縫製を軽んじるわけがなく。ウエットスーツも前ページで列記した通り「リペアチームとデザインチームの協働の結果、新たな配置の継ぎ目が水漏れを解消するとともに、着用のしやすさを改善」しています。

つまり、新品時の強度は言うまでもなく、その後のリペアのしやすさも視野に入れてデザインされているわけです。「天然由来原料で長く使える」ウエットスーツ。じつに大儀ある製品だと思います。

開発時からリペアのしやすさを考慮したデザインやパターンに。長持ちすることを重んじるパタゴニアらしい配慮 ©Tim Davis

というわけでいざ海へ。

①10月12日【千葉部原】うす曇り/気温19℃/海水温24℃
②11月12日【福島】雨ときどき曇り/気温7℃/海水温18℃
③11月20日【湘南】晴/気温16℃/海水温20℃

【備考】
R3の推奨水温は「9~13℃の水温に最適(※米国カリフォルニア基準、日本ではプラス約5℃目安)」

初日の部原①は10月ということもあり、暑いかな? と思っていましたが、個人的には「思ったよりちょうどいい」でした。インサイド寄りのブレイクで、ゲッティングアウトに時間も体力も要さず、波待ちの時間は長め。つまり運動量が少なく最も体を冷やしがちなラウンドを温かく過ごせた、という解釈が正しいかもしれません。パドルやライディング時の運動性能は快適でした。しかし運動量も本数も少なかったので、別の機会でもテストしてみることに。

11月の福島②は、急激に外気が落ち込み(7℃)、しかも雨&オフショア強め。本来、水温的にはR3がちょうどいいはずなのですが、関東以南の温かい海水に慣れきっていた僕の体は、一気に初冬並みとなった福島のラウンドでやや寒さを覚えました。海水温そのものの冷たさは感じず、外気と風によって冷えた感じです。正確には「きもち冷えるな」というニュアンス。ただ、これは僕に限らず、他ブランドのネオプレン製フルスーツ(3mmフル~セミドライまで)を着る皆さんも、海で口々に「今日は寒い!」と言い合っていたことを記しておきます。一緒に入った仲間のひとりはラバーのタッパー×ロンジョンのセットアップで最後は震えていました。

で、最後の湘南③でのラウンドは天候もよく、再び部原で感じたような快適な印象となりました。

運動性能は申し分なし。ユーレックス天然ラバーであることのネガティブな違和感はいっさいありません。©Junji Kumano

以上が試着した3ラウンドでございます。

パタゴニアが推奨する水温と、僕個人の実感を照らし合わせてみると、+5℃ではなく、外気温や風の強さなど、水温以外の条件も加味して+7℃くらいに広げて考えてもいいかもしれない、と個人的には思いました。

※ただし、これはパタゴニアが製品の適温をしっかり記しているから書けることです。モデル毎に適正水温を表示しているウエットスーツ製品というのは、他ブランドではあまりありません。それくらい体感温度には個人差があるということ。

僕ならまず、ネオプレンで言う3㎜フルスーツを着る季節を軸に考えて、そろそろセミドライ(ユーレックスならR4やR5)かな、と感じる時期まで着続ける、というふうに考えます。多少の暑さは許容できても、寒さは我慢したくないからです。そのうえで、エリア次第では個人差はあれど、そのまま冬に突入しても着用し続けられるかもしれません。

もうひとつ。僕はサイズ表を基準にして今回「M」を着用しましたが、もしショップで試着してから選ぶとしたら「M」と「L」の両方を試着してみて、ベストな方を選ぶと思います。

というのも、上で「フィット感が高い分、すこ~し生地を伸ばした状態で着ているかな?」と書きましたが、どんな生地でも伸ばせば薄くなります。ユーレックスに限らず。すると当然、フィーリングも温度感も変わってきますよね。パタゴニアの公式サイトでは、173cmと178cmのモデルが共にサイズMを着用している写真を紹介しています。それくらい許容範囲が広いので、もしかしたら178cmの僕が「L」を着ても、違和感がないかもしれません。そうなると、上で述べた①~③のラウンドも、すこし違う感想になっていた可能性だってありますよね。

ですので、もし皆さんがユーレックス・ウエットスーツを選ぶときは、願わくばショップへ行って実際に着用してみてくださいね。オーダーせず既製品を選ぶということは、”試着によるサイズ選びこそがキモ” だと思ってください。

ボードカテゴリーを問わないシンプルなデザインも魅力。フード付きはより厳冬仕様となる「R4」と「R5」でラインナップ ©Junji Kumano

それにしても、1着目に購入したユーレックスと比較して、本当に進化したなぁとあらゆる面で実感でき、感慨深いです。

「運動性能」においては、ユーレックス天然ラバーとネオプレン製での素材特性上のパフォーマンス差は見当たりません。それ以外の面だと、タフさはユーレックスに軍配。保温性はジャージ素材(ネオプレン)なら同等、ラバー(ネオプレン)についてはユーレックスより風に強いかな、という感想です。

あとは、皆さんが何を求めるか。もしも天然由来のユーレックスと石油由来のネオプレンがまったくの同性能と仮定したら、どちらが地球にやさしいかは明白です。だからこそ、パタゴニアはユーレックスを独占することなく、他ブランドも使用できるよう推進しているわけです。

年間を通じてサーフィンを楽しむ方は、きっとシーズン違いで何着かのウエットスーツを保有していると思います。まずはそのうちの1着を、ユーレックスにしてみてはどうでしょう? ネオプレンと比較する意味でも、環境的な観点でも、このスタートはおすすめです。

では、最後にこちらの動画で締めさせていただこうと思います。
最後までお付き合いありがとうございました!

パタゴニア公式ユーレックス・レギュレーター・ウエットスーツ 紹介ページへ

>>> https://www.patagonia.jp/yulex-natural-rubber-wetsuits/

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2024年9月10日発売

湘南 前進するサーフシティ

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スタッフ募集のお知らせ。Blue.より

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自分でつくってギアへの愛を再確認。パタゴニア「ハンドプレーン・シェイピング・クラス」に親子でトライ!

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