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福島の元気を世界へ。Kitaizumi Surf Festival 2023

福島の元気を世界へ。Kitaizumi Surf Festival 2023

「次も必ず呼んでくれ」
福島のために来日してくれた
3人は、笑顔で口を揃えた

 9月16~18日の3日間に渡り、南相馬市の北泉海岸で「KITAIZUMI SURF FESTIVAL 2023」は開催された。南相馬市と株式会社マテリアルとの共催による、東日本大震災からの復興を支援する福島復興支援ビーチイベントとして。

 サーフィン競技はもちろん、キッズサーフィンスクール、乗馬体験、甲冑試着体験などの他にもフラダンスやミュージックイベントも同時開催された。地元の魅力と伝統を伝えるコンテンツには、大人も子どもも一緒に楽しんでいる光景が各エリアで見られた。

 初日にはブルーインパルスが北泉海岸の上空を飛行し、その後イベント一押しのコンテンツである「侍サーファー」が登場。見事なサーフィン演技を披露し、オープニングアクトとして華を添えてくれた。天気も良く、波も良く、たくさんの笑顔が見られ、気持ちの良いイベントとなった。

全国的にもコンスタントに波があることで有名な北泉海岸。火力発電所が見える広くて綺麗なビーチは特徴的で、訪れたサーファーの心に残るポイントだ。
ジェレミー・フローレスとハーレー・イングレビーは、サーフエキシビジョンやサイン会を通じて子供たちとの交流を楽しんだ。
ヘッドジャッジのリッチー・ポーター。普段はいつもニコニコしているが、ジャッジブースの中では真剣な眼差しで試合を見つめた。

「北泉海岸はとても綺麗でいいね。馬もすごいね。みんな楽しそうだ」。イベントのために来日してくれたフランスのジェレミー・フローレスは常に笑顔で、ハーレー・イングレビーと共に子どもたちと多くの時間を海で過ごしてくれた。オーストラリアから来てくれたハーレー・イングレビーも「来年も必ず家族で来るから呼んでくれ」。そしてヘッドジャッジを務めてくれたリッチー・ポーターも「俺も忘れずに呼んでくれよ」と、とびっきりの笑顔を返してくれた。

会場にはフードブースやワークショップなど、さまざまなコンテンツが集い、来場者たちは思い思いの時間を過ごした。
「Surf in Music」音楽で波乗りしようを合言葉に、来場者たちは海風を感じながら、夕方からスタートしたライブに身をゆだねた。

 今回、開催された「KITAIZUMI SURF FESTIVAL 2023」の開催意義は、非常に重要だと感じている。なぜなら、このイベントはただのサーフィンイベントではなく、今まで誰も経験したことのない状況下で開催されたイベントだったから。「ALPS処理水」って何? これって大丈夫なの? 関心のある人とそうでない人、賛成の人と反対の人、立場も違えば思考もちがう。ただひとつだけ言えるとすれば、今の世の中は、自分で情報を探せば様々な情報を得ることができるということ。メディアの種類に関わらず、自分の目と耳で真実を探すことができる。福島を愛し生活している方々がいて、風評被害に困っている方々もいて、それでも地域の活性化だったり、復興を支援する活動に汗を流す方々がいる。関心さえあれば、いくらでも事実を知ることは可能だ。無関心がいちばんよくないことであると私は思う。

男子優勝者の川俣海徳選手の頭には、優勝者に与えられる地元相馬野馬追の甲冑武者と同じ兜が贈呈された。
川俣海徳選手

 今回開催された「KITAIZUMI SURF FESTIVAL 2023」は、来年も開催が予定されている。ALPS処理水の放出にまつわる情報は、皆さんが関心を持ってくれるほど監視力が強まり、間違った情報や不正・隠蔽から遠ざけることにつながるはずだ。逆に無関心であるほど、情報を得ようとせず噂まがいの話ばかりを鵜呑みにしてしまうほど、誤った風評被害で地元の方々を傷つけてしまいかねない。みんなの関心が遠ざからないために、サーファーとしてできることはないだろうか? サーファーであればみんな知っているはず。海はつながっている、全世界に。地元の方々や、漁師さんや漁業関係の方々だけの問題ではない。このイベントが、海を大切に思うすべての方々に「福島の今」への関心を持ってもらえる舞台になって欲しいと願っている。

あとがき

 裏方を務めさせていただいた今回のイベントでいちばん大変だったのは、馬のセッティングとケアでした(笑)。人との接し方は多少なり分かっているつもり、でも馬と接することはほぼなかったので……。イベントスケジュールの変更に応じて、馬の入り時間や待機場所の確保、そして灼熱のビーチで馬が熱中症にならないよう細心の注意を要しました。侍サーファーの撮影も大変! 甲冑はレンタルなので、壊さないよう、壊れないようにしていたものの、撮影当日にジェットスキーで引っ張っていたロープが切れて、侍サーファーが吹っ飛んだ時に兜が破損。もちろん弁償しました(苦笑)
 かくして、運営側の大変さを肌で感じ、非常に勉強になりました。灼熱の中、体力的にもキツかったのですが、イベントが終わった後の何とも言えない高揚感……クセになる感じです。

text◎Yuji Yoshimura
photo◎Kenyu                                        

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