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美しい海と太陽の町で、人とじっくり向き合う医療を。 【徳島県海陽町】

美しい海と太陽の町で、人とじっくり向き合う医療を。 【徳島県海陽町】

サーフィンを愛する医療従事者のみなさんにご提案!

豊かな自然に囲まれた徳島県海陽町にある、海南病院で働いてみませんか?

海陽町は海部川河口や宍喰海岸などワールドクラスのサーフスポットを有する徳島高知の県境の町。ダムのない清流が流れ、緑豊かな山々も身近に広がる、自然豊かな四国でも特に美しい海山川が揃う恵まれた土地です。

しかし、多くの地域と同じく過疎化が深刻な問題となっています。人口減少による課題は多々ありますが、その大きなひとつが医療です。海南病院は60年以上町の医療の要となってきましたが、人口減少に伴い深刻な職員不足に悩み存続の危機に立たされています。

美しい自然環境の元で地域医療に携わることに興味のある方、そうでない方もよければ覗いていってください。

そこで今回は、海南病院関係者と海陽町長、地元サーファーの計4名に地域医療の現在から個人の想いまでざっくばらんに話し合いました。

◎参加者(写真左より)

永原 レキ :海陽町宍喰出身。フリーサーファー。2010年にUターン帰郷し、2016年藍染スタジオ『in Between Blues』を設立。海陽町体育協会サーフィン部/部長、国際環境NGOサーフライダーファウンデーションジャパン/ディレクター

川野 和彦:海南病院事務長として病院経営をおこなう。海陽町宍喰出身。地元愛が強い。介護事務の経験もあり。

三浦 茂貴:町議会議員を4期14年務め、2018年より海陽町長に。海陽町海部出身の現在48歳。座右の銘は「できない理由を考えるのではなく、やれる方法を考える」。

石部 ひとみ:海南病院看護師長。熊本県出身。阪神大震災をきっかけに夫の故郷である海陽町に家族で移住。

(聞き手:宮本紫野。海陽町出身ライター)

── まずはサーファーのレキくんからみた海陽町の魅力とは何でしょうか?

レキ: 僕は海部川河口の波がとにかく好きなんです。国内や世界各地のサーフスポットを訪れたけど、Uターン帰郷した理由はここの波が好きだから、というのが大きな理由のひとつ。そのぐらい好きです。でも帰ってきて改めて分かったのは、緑豊かな山があり、ダムのない川があり、川の水が運び出す砂利のバンクがなければ、僕たちが愛してやまない美しいチューブは生まれない、ということです。山から川、そして海へという自然の循環が身近に感じられる場所は、なかなか貴重じゃないかと思います。

── 移住をする人たちも結構いますよね。

レキ: 50年ぐらい前からこの町の波を気に入って移住する人が増えてきたそうです。実際、僕の父も大阪から移住したサーファーでした。宍喰海岸や海部川河口の近くにはサーファーがやっているお店も多いですね。

三浦: 移住ではないのですが、町唯一の高校である県立海部高等学校では「波乗り留学」と銘打って地域外からの入学者も受け入れていて、サーフィンと学校生活を両立したい学生さんが県外から来てくれています。町から毎年約1000万円の予算を投入して教育環境の充実も図っているので、高校生活を通して海陽町の人も含めた全体を好きになってもらえたら嬉しいですね。

── では海南病院についてお聞きします。人員不足と聞きましたが現在の状況を教えてください。

三浦: 過疎化で人口が減少していることもあって、病院の先生も看護師さんもコメディカル(他の医療従事者)も不足しています。募集をかけても徳島市から車で約2時間と都市部から遠いことが原因で、なかなか来てくれる方がいなくて。

石部: 町の高齢化率と比例して職員の高齢化率も高いんです(笑)。現在看護師は20、30代がかなり少ないので、今後のことを考えると若手の方に来ていただきたいなぁと。でも、子育てとかも終わってひと段落ついた方が第2の人生を楽しむ場所としても良いと思いますね。経験がある方なら即戦力にもなりますし……。どんな年代の方でも来ていただけたらすごくありがたいです。

川野: お医者さんは常勤の先生が一人しかおらず、他の先生は徳島大学病院、徳島県立病院、徳島市や小松島市の病院からほぼ日替わりで応援に来てもらってる状態なんです。常勤の先生が一人でも増えて頂ければ。毎日ではなくても週に3、4日でも来ていただければなと。

── 地域外から新しい人が来ることに対してはスタッフの方々はすんなり受け入れてくれそうな感じですか?

川野: 新しく入ってくれる方に対しては歓迎しかないですね。誰かに来てもらいたいというのがみんなのいちばんの思いです。

三浦: 余裕がある状態なら外から来る人に対して反発する人もいるかもしれませんが、今はそんなこと言ってる場合じゃないので。自分たちの場所を守るためには逆に外から来ていただかないと守れないですから。

── なるほど。では、働くうえでの海南病院の魅力って何でしょうか?

石部: 看護師でいえば勤務年数が長い人が多いので経験が豊富で、子育てが終わった看護師も多いので子育て世代の方へのサポートはできやすいと思います。人員が少ないぶん勤務するときは忙しい面もあるんですけど、家庭支援に関してはスタッフ間で頼ってもらいやすい環境だと思います。子育てだけじゃなく、ご自身の体調不良とかも。アットホームな感じなので何かあっても相談して支え合える関係は築いていきやすいんじゃないかなぁ、と。

川野: 都会の大病院に比べたら入院患者等も少なく、休む間もなくバリバリ仕事をするという感じではないので、自分の生活も充実させてもらうことができるかなと思います。ワーク・イン・ライフを考えた働き方というか。例えば週3、4日働いて空いた時間はそれこそサーフィンや趣味を楽しむ、とか。

三浦: 忙しくなってバリバリ働いてもらえるぐらいになったら良いんやけどね(笑)。

── 病院というとハードな働き方のイメージがありますが海南病院は少し違うんですね。

三浦: 急性期病院ではないので、ここで対処できるものは対処したり、応急処置をして次の病院に送ったりするのが中心になってきます。

石部: あとは急性期で落ち着いた方が退院するにはもう少し療養が必要な方、他院で手術した後にリハビリが必要な方、及び看取りの患者さんを受け入れている状況です。

── 訪問看護もされてるんでしょうか?

川野: お昼限定とか曜日限定とかでやってはいるんですけど、本来の24時間365日体制ではできてない状態なんです。

石部: 訪問看護は希望される患者さんも多いし、私たち看護師としてもやりたいんですが、人手不足なので外に出る人員を確保できてないのが現状で。

── 地域のニーズに応えるためにも人員が必要なんですね。ところで石部さんはご自身も移住されてきたんですよね。

石部: はい、熊本出身です。仕事は大阪でしてたんですけど、阪神大震災をきっかけに夫が故郷である海陽町の両親のことを心配するようになって。私も海部川が透き通ってすごく綺麗なのが印象的で、おだやかな環境が子育てには良いかなと思ったので家族で移住しました。

── 実際に移住されてみてどうでしたか?

石部: やっぱり綺麗な海や川が近いし、子供が自由に遊びまわれる良い環境でした。あとは夫の両親と同居だったので、夜勤の時など両親に見てもらえるのがすごくありがたかったですね。

── 先ほど海南病院の特徴の話もでましたが、実際大阪の病院で仕事をされてた時と働き方の面で何か違いはありましたか?

石部: 都会では患者さんの家族背景まではなかなか分からないんですけど、患者さんも看護師も地元の方が多いので、自然と患者さんの生活環境や家族状況が分かるんですね。なので、この患者さんは独居だから退院後はこうゆう部分が大変なんじゃないかとか、ちょっと包括的にサポートを考えられるかなと思います。あとはやっぱり高齢者の患者さんが多いので、認知症や看取りを多く経験して日々勉強しています。

── 私自身の祖母も海南病院で長く入院して亡くなったんですけど、看護師さんたちが祖母に優しく寄り添ってくれたし、私たちがお見舞いに行った時も声をかけてくれたりしてたのを思い出します。都会の大きな病院だとなかなかここまでの親しみのある空気感って持てないんだろうなぁ、と。

レキ: 「生き心地の良い町」(著:岡 檀)という本で、海陽町海部が全国一自殺率の低い町ということを取りあげてくれてるんだけど、「死に心地の良い町」というのも海陽町のキーワードかもね。亡くなる人にとっても生きる人にとっても、死に方ってすごく大事やと思うから、ここは双方にとって良い形で迎えられる風土なのかも。

── では最後にひと言ずつお願いします。

川野: わたし実家は海陽町にあるんですが、実は18年ぐらい前から海陽町から離れたところに家を持って、毎日車で1時間半ぐらいかけて通勤してるんです(笑)。でも、それだけ長時間通勤してでもこの町で働きたいと思えるぐらい良い町です。ちょっとでも興味をもった方はお気軽に連絡くださったらありがたいです。

石部: まずは海陽町に興味を持っていただいて、そこからつながって一人でも来ていただけたらありがたいなぁと思いますね。良ければ実際に遊びに来てみてください。

三浦: 海南病院は数年前から存続の危機で。でも人間が生活する上で「仕事、教育、医療」というのは地域にとって必要不可欠なことなんで、行政も特に力を入れていかなあかん部分やと思うんですよ。なので、地域を守るためにも医療の要である海南病院を守らなければ、というのが正直なところです。今回の取材が海陽町の地域医療を守っていく糸口になればありがたいです。

レキ: 海陽町は都市部から離れているのがデメリットであると同時に、美しい自然環境や豊かな食材においてはその距離がメリットになってると思うんです。美しい川や海で獲れる新鮮な魚介類や美しい水を使った野菜や米が安く手に入る。予防医学にとっては医食同源というのは欠かせないし、そう考えるとこの町は最高のフィールドだと思う。なので、将来的には海陽町の医療と食がうまく関わりあうような取り組みなんかもできたら理想的だなぁなんて想像しています。

<ご興味を持たれた方は以下まで>

【求人に関するお問い合わせ先】
海陽町立 海南病院
TEL: 0884-73-1355 Mail: kainan-hosp@kaiyo-town.jp

・海陽町HP

https://www.town.kaiyo.lg.jp/

・海南病院HP

https://kainanhp.jp/

・inBetweenBlues

https://inbetweenblues.jp/

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