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45歳、初めてのフルマラソン。と、サーフィンの相関関係

45歳、初めてのフルマラソン。と、サーフィンの相関関係


2022年12月に開催された湘南国際マラソンに出場してきました。あ、すっかりご無沙汰の更新となってしまいましたが、走り続けております。

さて、人生初のフルマラソン。走り始めて以降、一度くらいは走っておきたいと思っていて、じつは2020年の同大会にエントリーしていたものの、コロナ禍により中止。で、今年ようやく実現したというわけです。

ひと言、長かった……。

「30kmから先は別もの」というリアルを肌で実感。36㎞付近で足をつってしまい、大失速しました(苦)。つっては伸ばして、走ってはつって、を何度も繰り返しながら、最後は死力を尽くしてなんとか完走。まじで、人生で指折りにもがいたラスト7kmでした。

記録は3時間58分40秒。フルマラソンの世界では4時間をきるタイムを「サブ4」と呼ぶそうで、割合でいうと上から25%くらい。1km平均で5分41秒を上回ると達成できます。

45歳・初フルということを加味すると、それなりに胸を張っていい結果だとは思うものの、心のなかでは3時間45分以内をターゲットに、素人なりに真剣に走り込んできたので、悔しいというのが本音です。なによりも、足をつって止まらざるを得なかったことが本当に悔しい。とにかくスタートからゴールまで、止まらずに走りきりたかったです。

これが実力。そしてこれがフルマラソン。甘くない。力の限りを尽くしましたが、まだまだ修行が足りませんでした。

というわけで、悔しさ余ってちがう大会にエントリーしようかと物色しています。
「一回くらいは」と思ってエントリーし、走っている最中は「もういやだ」と何度も思っていたくせに、ゴールして3時間後には「このままでは終われない」となっていました。不思議なものです。

レベルを問わずフルマラソンに出る方で、余力を残してゴールしたいと考える人はあまりいないと思います(調整目的の人は除き)。記念で走るとしても、仮装して走るとしても、お気楽な気持ちのまま走り続けられる距離ではありません。最後は出しきって終わり、それが結果になる世界。ものすごくシンプルで、だからこそ奥が深いんだなと実感しました。あらためて、この道のりを何度も経験している方々をリスペクトです。

サーフィンに例えると、フルマラソンは他者と競い合うコンペティションよりも、大きな波に挑むときのメンタリティに近い、と感じます。競う相手は自分自身で、自分の限界に挑む世界です。そんなステージで他者とも競い合うエキスパートランナーの皆さんは、尊敬を込めて化け物です。想像を絶する大波に挑むビッグウェーバーたちが、やはり化け物であるように。

フルマラソンとサーフィン
その相関関係

さて、今回のテーマです。

「サーファー」として考えると、身体能力という観点では42.195kmを走りきる耐性まで求める必要はないかな、と思います。あくまでイチ個人としての意見です。サーフィンに活かすために走るなら、5kmのスピード、10kmのスピード持久力、ハーフマラソン(21.1㎞)を走りきる持久力を追及した方が有効でしょう。

5㎞や10㎞をそれなりのスピードで走る能力(心肺機能、下半身や体幹の強化、筋持久力、左右の筋バランスetc..)はパドリングにきっと役立ちます。
そしてハーフマラソンは仮に1キロ5分41秒で走るとほぼ2時間。時間的にはサーフィンの1ラウンド程度に相当し、その距離をムリなく走れる頃には、心肺機能も回復力もかなり成長し、脂肪もだいぶ落ちているはずです。

で、フルマラソンは、あくまでもフルマラソンでした。サーフィンのために走る、という領域ではないです。

じゃあ、得るものはないの? と言われると、そういうわけではありません。

42.195kmという距離を走りきるためには、そのための工夫や熱意が必要です。いちばん学んだのは、「限界を知る」ためには、現時点でのベストな自分をつくりあげることが前提になる、ということ。つまり、コンディショニングへの意識です。

サーファーの皆さんは、サーフィンのためにその領域まで自分を高めたことがありますか? 恥ずかしながら、僕は日々のサーフィンでそこまで強くコンディショニングを意識したことがありませんでした。

ただ自分を追い込むだけじゃ足りなくて、体重と体調を管理すること、当日に向けて完全に疲れを抜くこと、胃腸を整えること、食を意識すること、走っている最中に水分やエネルギー源となるグリコーゲンが枯渇しないよう補給すること、などなど。自分の体や能力を冷静に見つめ、磨いていく道のりは、ものすごく勉強になりました。フルマラソン、シンプルですが、頭も、体も、心も、ぜんぶ試されます。

しかもですね、それをしてなお僕は36kmで足を止めているわけです。何かが欠けている、ってこと。僕は今、その課題をどう捉え、どう超えるかを考えているところです。

唯一成長を感じたのは、フルマラソンの翌日。疲れや多少の痛みは当然ありましたが、全身ガチガチになるような筋肉痛はなく、日常生活を不自由なく過ごせる状態だったこと。ランニングを始めた当初、5㎞がとても長く感じました。それを思うと今のコンディションや回復力は宝ものだし、さらに磨ける領域=伸びしろがあるという現実も喜びです。

ただし、フルマラソンの疲れやダメージというのは生半可じゃなく、筋肉以外にも関節や内臓、血液など、至るところに残るそうです。完全に回復するには1ヵ月を要するとか。
これを書いている今日は走り終えて3日目。感覚的にはサーフィンしたくてうずうずしているのですが、もうちょっとの間、波がないことを祈ろう。

つづく(はず)

Y.Toida / Chief editor of Blue. magazine.

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