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勝手にインプレッション

posted Nov 15, 2014

2014年の夏秋はこのボードに夢中でした。ジェフ・マッカラムのパープルスタッフ。Blue.43号の巻頭特集『ザ・インプレッション』の撮影で、ニューエボリューション・サーフの大瀧さんのパーソナルボードをお借りしてひと目惚れ。即決でオーダーしました。

撮影時にお借りしたのは5’4”。身長約180cm、体重75kgの僕にはすこし小さくて、オーダーしたのは5’10”です。本当は5’8”くらいあればじゅうぶん適正浮力なのですが、僕はそもそも浮力に余裕のあるボードの乗り心地が好きなんです。日常でも(波によりますが)7フィート台のミッドレングスをピックする機会が多く、それでドルフィンスルーも普通にします。なので、5フィート台のボードでオーバーフローに悩むことはありません。ゲッティングアウトに差し支えなければ、一瞬でもテイクオフが早いボードの方が、よりいい位置からライディングをスタートできる、これはとてつもなく大きなメリットですよね。

というわけで、僕のもとにやってきた5’10”のパープルスタッフ。幅は測っていないので正確には分かりませんが、脇に抱えた感じ21-1/2”前後のはずです。これは僕がもっとも好きなワイズ感なので、持った瞬間にしっくりきました。厚みについても詳細は分かりません。ただ、マッカラムをはじめオルタナティブボードについては、あまり厚みの数値は意識しすぎないほうがいい、というのが僕の考え。特にマッカラムのボードはノーズからテールに至る厚みのメリハリが効いていて、非常に特徴的なデッキコンケーブを備えています。

今回のパープルスタッフを例にすると、ぱっと見はすごくボリューミーですが、実のところはチャイムデッキと呼ばれる特徴的なデッキコンケーブにより余分な容積をそぎ落としています。これは同時に、レールの調整厚を可能な限り残すことにもつながり、シャープなビークノーズ 〜 立体的なダウンレール 〜 再び薄めのテールへとつなげているんです。

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これは個人的なイメージなので、マッカラムや大瀧さんに怒られちゃうかもしれませんが、例えるならルパン三世のフジコちゃんのような超メリハリのあるプロポーション。あってほしい部分と、なくていい部分のボリュームバランスがとにかく潔いのです。これこそが「マッカラムのボードはひと目で分かる」所以ですよね。各モデル毎のデザインコンセプトも明確なので、ジョエル・チューダーやハリソン・ローチ、サイラス・サットン、ミッチ・アブシャーなど、そうそうたるサーファーが彼のボードを好んで乗ってきた事実も、そんな部分にあるんでしょう。

話が逸れました。パープルスタッフの話題に戻ります。このモデルの最たる特徴は「ワイドなテール」と「ツインフィン」の組み合わせでしょう。全体を眺めると、ノーズからテールへ向かうアウトラインはサンディエゴ系フィッシュ、テールデザインはミニシモンズを連想させます(ホントのところは分かりません。僕の勝手な見解)。つまりパープルスタッフは、マッカラム流にモダナイズされた、FISH×SIMMONSのハイブリッドと言ったところでしょうか。

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さて、ここからやっとインプレッションの話になります。実際に乗ってみたパープルスタッフですが、驚かされるのはルース感。下記は、サンディエゴ系フィッシュ(ツイン)を対抗馬に比較した時の、超個人的なフィーリングです。正しいかは分かりません(笑)。

テイクオフはワイドなテールがうねりをキャッチ&リフトしてくれる分、パープルスタッフの方が確実に早いです。回転性はどんなフィンをチョイスするかによって大きく異なりますが、写真のトゥルーアムスのファイバーグラス(グリーンのフィン)装着時は、パープルスタッフの方がツインキールのフィッシュよりだいぶルースです。というか、びっくりするくらい動きます。そして軽いです。一方、フィッシュ特有の粘りのあるフィーリングは薄いかな、と。

試しにパープルスタッフにもキールフィン(写真下のFuture)を付けてみましたが、いきなりターンに要する力が何割増しかになってしまいました。あらためてフィンが与える効果の大きさを実感。今回はいろんなタイプのツインフィンを試してみるため、悩んだ挙句オンフィンではなくFutureのボックスを選択したんですが、いい勉強になりました。

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もうひとつ。フィッシュのデザインはそもそも“ピンテールのシングルフィンが2つ”という考えが根本にありますが、それゆえにレール・トゥ・レールの際、(個人的には)右、左、右とスイッチが切り替わる印象があります。そこもまた好きなんですが。一方でパープルスタッフはテールにエッジがない分だけカービングは非常にマイルドです。おそらく、誰もが乗りやすいと感じるのでは。特に僕はカットバックとバックサイドのスムースさに魅了されました。ただし、ルースで滑りがいい反面、掘れた波ではサーファーのスキルが問われるかもしれません。とはいえ、僕はこのボードで腹〜頭半くらいまで入りましたし、市東重明さんや吉川共久さんなどプロサーファーに至っては、ダブルサイズの新島の波でも余裕で楽しんでました。先日は千葉北で越後将平さんにも試乗してもらい、リッピングからのノーズライド……あ、そういうこともできるのね……と自分のスキルにがっかり(笑)するとともに、パープルスタッフのポテンシャルに驚かされた次第。彼らプロサーファーがパープルスタッフについて口を揃えた感想は「見た目以上の動きの軽さ」と「ターンの伸び」。レベルはまったく違えど、その感想についてはアマチュアの僕も同感です。

なんだか宣伝のようになってしまいました(笑)が、そんなつもりはありません。マッカラムのサーフボードは意外とムービー等で見れる機会が少ないので、皆様のご参考になれば幸いです。いちサーファーとして、純粋にいいボードでした。

最後にひとつザンゲさせてください。まだCaptainFinのマッカラム・モデルを装着してテストしていないんです(苦)。トゥルーアムスのツインフィンがあまりにも調子よくて……。

Yuichi Toida / Blue. magazine

 

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以前ニューエボリューション大瀧さんにお借りしたオンフィンのパープルスタッフと、Captain Fin のマッカラムモデル。ベースモデルはパープルスタッフのこのフィンだったのかな?

 


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