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ジャーナリズムを有する波情報メディアとして/「波情報BCM」潜入取材

ジャーナリズムを有する波情報メディアとして/「波情報BCM」潜入取材

現在の日本のサーフシーンにおいてもっとも多くのユーザーを抱えるメディアは、ウェブサイトでも雑誌でもなく、波情報サイトだろう。なかでも3大波情報メディアのひとつと呼ばれる波情報BCMは、そんな流れそのものを築いた立役者だ。その成り立ちと、運営するライズシステムが育んできた情報を扱う意識の高さは、サーファーとして知っておいて損はない。

時代に合わせて変わる柔軟性と
受け継がれてきたプロ意識

「417355(ヨイナミゴーゴー)」。1980~90年代にサーフィンを始めたベテラン諸兄なら、そういえばと懐かしく思う人もいるだろう。スマートフォンが主流になる以前、サーファーたちは家の電話やガラケーでこの番号をダイヤルし、音声案内で波情報を取得していた。

1980年代は日本におけるサーフィンブーム。電車サーファーも珍しくなく、多くのサーファーが知識も情報もないまま海に向かうも波はなく、サーフィンできずに帰路につく日も多かった。そんな時代に、当時勤務していたNTTのネットワークを利用し、サーファー向けの波情報テレフォンサービスを開発したのが野村昇氏。現ライズシステムの創設者である。そのサービスが好評を博し、NTTの増収にも寄与したことで野村氏は当時20代初と言われた社長表彰を受けたそうだ。

その後、NTTグループの社内ベンチャー開発の準備などを経て、野村氏は1990年にライズシステムを独立開業。日本初の全国波情報「サーフパトロール」が誕生した。設立当初は引き続き音声案内による情報提供で、創業メンバーとしてメインDJを務めたのが、現日本プロサーフィン連盟の理事長である細川哲夫氏だったのは有名な話だ。

メディアとしての高い意識

以後、サーフパトロールは電話、ガラケー、スマートフォンと、時代と共に変わっていく通信デバイスの特性を最大限活かしながら利用者のニーズをくみ取り、積極的にプロダクトを開発。着実にファンやユーザーを増やしていった。スマートフォン主流の現在は、使いやすいアプリ、ライブ映像配信など多彩な動画コンテンツ、そして全国最多提供ポイント数、最多更新回数を誇る質の高い波情報の展開により10万人ものサーファーに支持されている。

湘南エリアの波情報スタッフのひとり、原さん。1日の最初の更新は夜中の3時だ

そしてもうひとつ、運営するライズシステムを語るうえで欠かせないのは、メディアとして情報に対する高い意識やジャーナリズムを育んできたことだ。その代表例が1993年の創刊以来、30年にわたって愛されてきたフリーペーパー「ビーチコーミング」誌だろう。日本全国のサーフポイントや潮見表、各地の見どころを網羅した一冊は、長きにわたりサーファーのバイブルであり続け、その利便性はウェブが主流となった今なお重宝されている。ほかにも、ケリースレーターなどのモーメンタム世代をフィーチャーした「flow」誌、サーフィンジャーナリズムを守るべく誕生した「THE SURF NEWS」では、東京2020オリンピックサーフィン競技における国内唯一の公式サーフィンメディアとして、自社サイトにて国内メディアで唯一となるライブスコア配信などを託された。

全国各地の波情報スタッフと連携し、情報を配信する本部チーム
未来を見据えた技術開発や、ファンの心を掴むための企画発案、メディアとしての取材・執筆など、その業務は多岐にわたる。波情報スタッフを含め、質の高い情報の裏には人の努力がある。それはデジタルの時代になっても変わらないのだ

ユーザーから見たBCM

ひとつの参考例として、これを書く私自身(Blue.編集/戸井田)の私見を綴らせていただきたい。現在40代半ばの私は、既述の時代を過ごしてきた世代。音声ガイダンスの波情報は本当に重宝したし、メディアの端くれとして歩んでいる今は、撮影地を決める判断材料としてBCMの波情報をありがたく参考にしている。また、Blue.は媒体特性の違いもありコンテストレポートを報じることはほぼないが、BCMサイト内で読める「THE SURF NEWS」の関連記事はじつに読み応えがあり、同じく「F+」のつのだゆきさんが綴る辛口のコラムも、いちファンとして楽しませてもらっている。ジャーナリズムという点で共感やリスペクトできる魅力が多々あり、それがコンテンツから伝わるという点が、なにより嬉しいのだ。

必要な情報をひと目で把握できる使いやすいアプリ画面。ライブ動画や1週間先までの波予想など、サーファーが求める多彩な情報を利用すれば高確度で波の状況を把握できる。多岐にわたる努力を思うとweb+アプリ会員の年間契約料3960円(2023年11月時点。クレジット年次コース)は決して高くない

「湘南エリアの波情報スタッフは、朝2時半から活動をスタートします」

取材日、辻堂海岸で待ち合わせたサーフィン事業部マネージャー、能登さんは言っていた。さすがに、そんなに早くなくてもいいのでは?

「湘南にお住いの方はそうかもしれません。でも、都内の方は夜中に起きて、波の状況次第で湘南か千葉かを判断するサーファーも多いんですよ」

ひと言、ハンパじゃない。もちろんライバル各社とのバランスもあるだろうが、波情報然り、記事然り、この実直さこそBCMの最たる魅力であり、同社を選ぶ決め手となるのだろう。よければ一度、無料トライアルをお試しあれ。


波情報BCM

株式会社ライズシステムが運営する波情報メディア。1982年のテレフォンサービス(NTTヨイナミゴーゴー)を起源として、1990年に日本初の全国波情報「Surf Patrol(サーフパトロール)」をスタート。有料波情報の老舗としてサーファーから支持を集める。以後、2000年代にかけて電話の音声サービスからFAX、ポケベル、携帯電話など、通信デバイスの変化とともに提供内容を変化させ、成長を遂げる。現在は「波情報BCM」の名称で、スマートフォンのデバイス特性を活かしたLIVE動画、各種気象情報のビジュアル情報などをアプリサービスなどで提供。日々のサーフィンを「もっと楽しく」「もっと快適に」するためのツールとして、10万人のサーファーに支持されている。30年の歴史を有するフリーペーパー「BeachCombing(ビーチコーミング)」を筆頭に、ライズシステムとして「flow」や「THE SURF NEWS」を展開するなど、メディア、ジャーナリズムの精神を有する稀有なカンパニーだ。

>>> www.bcm-surfpatrol.com

>>>www.surfnews.jp/


photo◎Junji Kumano

ライズシステム 

photo◎Junji Kumano

BLUE. 100

2023年11月10日発売

[通巻100号記念特集] 100人のサーフ観

2023年11月10日発売

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