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I’M HARPER 〜自己満足に、生きる。〜
Presented by I.W.HARPER
自分の信じたものに、繰り返し情熱を注ぐ。その姿は輝きを放ち、決して自分のスタイルを失わない。そんな人物を紹介する「I’M HARPER」。今回はプロロングボーダーでありながら、サーフボードレーベル「WING SURFBOARD」を主宰し、ボードビルダーとして活躍する増山翔太さんに話を聞いた。
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——最近のサーフィンの調子はいかがですか?
いい感じです。昨年はプロツアーで5位になれたので、今年はグランドチャンピオンを目指しています。1月に出場したフィリピンの世界大会でコテンパンにされて火がつきました。あれから練習時間を大幅に増やしたおかげで、ターンやノーズの精度が磨かれてきている気がします。
——普段はどんな一日を過ごしていますか。
波があったらまず朝イチでサーフィンして、昼間はシェイプをするために工場へ。仕事にフォーカスできたら夕方もサーフィンします。季節や納期にもよりますが、基本的に波のコンディションに合わせています。台風シーズンは毎日波があるので忙しいですね(笑)。
——コンペとシェイプの両立は大変だと思いますが。
そう感じたことはないですね。やりたいことをやれているので。それに“サーフィンもシェイプも極める”のが僕のモットーなんです。サーフィンの上手なシェイパーか下手なシェイパー、前者にボードを作ってもらいたいと思うお客さんがたくさんいるはずなので。
——その通りですね。祖父がシェイパーだったとお聞きしましたが、その影響は大きかったのでしょうか。
そうですね。僕はめちゃくちゃおじいちゃん子だったんで。家からシェイプルームに歩いて行ける距離だったこともあって、小さい頃はよく祖父の仕事場で遊んでいました。でもそのままエスカレーターでシェイパーになったわけじゃないんですよ。
——それは意外です。
10代の頃になんとなくボードクラフトで生きていきたいと思うようになったのですが、祖父に「そんなに甘くないぞ」と言われて。でもいずれは板を作れるようになりたかったから、まずはサーフィンそのものに打ち込むことにしたんです。波乗りしまくっていたらプロ資格を取れることになったんですが、まだ作らせてもらえなくて。「いつならいいんだ?」と思っていた矢先に祖父が亡くなって、入れ替わるように僕は工場へ入れることになりました。それが20歳の頃。本格的にシェイプを始めたのは24歳なので、今はシェイパー5年目ですね。
——シェイプで苦労したことは何ですか。
一人で何でもこなさなければならなかったことです。最初は右も左もわからない状態でシェイプルームに放り込まれて。先輩シェイパーの動きを真似したり、ボードを片っ端から手に取って観察したり、自分が作らなければいけないサーフボードの形を学んでいきました。辛かったこともありましたが、行動力と思考力、創造力がそこで鍛えられましたね。
——WING SURFBOARDをローンチした経緯を教えてください。
職人の世界って、みんな経歴を気にするんですよね。「何年やった」とか「どこで経験を積んだ」とか。個人的には作ったボードだけ見てもらいたいという気持ちもあるんですが。なので、24歳で早めにブランドを立ち上げることにしたんです。ブランド名は僕の名前から一字とり、“翔”と“勝利”をかけてWINGにしました。
——サーフボードを作る上で心がけていることは何でしょうか。
ライダーとの感覚のギャップを埋めることです。たとえば過去に削ったボードを何本かお客さんにテストライドしてもらって、乗り心地をフィードバックしてもらうようにしています。自分だけの考えや感覚で作っても、その人のためになるとは限りませんから。できる範囲で試していきたいです。
——では忙しい日々のなかで、息抜きはどうされていますか?
最近はゴルフをしています。砂浜とは違った芝生の踏み心地とか、いいスコアを獲った時の高揚感とか、老若男女みんなで楽しめるところとか、なんかいいですよね。オフの日は朝5時からサーフィンして、そのあと8時からゴルフ場で18ホール回り、夕方5時からまたサーフィンしたこともあります。その時はオンの日よりさすがにハードでしたけど(笑)。今年7月に静岡で開かれた、サーフィンとゴルフを1日で楽しむイベント「I.W.HARPER SURF&TURF」にも参加しました。
——今は仕事もプライベートもサーフィンに関わっていますが、始めたのは14歳だったそうですね。
理由はよく覚えていないのですが、小さい頃は海が苦手で、野球やサッカー、テニスをしていました。それも中学校に入るとやめてしまって、たまたま空いた時間に友達とサーフィンすることになったんです。飽き性の僕にとって、サーフィンとの出逢いは運命的でしたね。サーフィンを見つけたことで“サーフィンもシェイプも極める”という人生の目標が定まりましたから。あれが人生のターニングポイントだったと思います。
——ちなみに今回のインタビューは「自己満足に、生きる」をテーマにしています。このメッセージを聞いて思い浮かぶことは何でしょうか。
まさに僕の生き方かもしれない。シェイピング、サーフィン、ゴルフをすべて楽しみながら、極めていく人生。好きなことをして生きていくのは大変だけど、幸運なことでもあると感じます。自己満足ってネガティブな意味で使われますが、僕はちょっと違う視点で捉えています。人間っていい思い出と、悪い思い出だったら後者を多く覚えてるもの。でも自己満足な人は過去の思い出を全て美化してるんです。たとえそれがいい思い出ではなかったとしても、反省点だけおさえて、あとはポイッと捨てて忘れる。その切り替えの速さは、アスリートにも必要なスキルだと思います。
——洗練されたアスリートと、酒造りに妥協しないハーパーの姿勢はどこか似ている気もします。ところで、お酒はお好きですか?
好きです。特にハーパーは口当たりがやさしくて大好き。昔はウィスキーが飲めなかったんですけど、ハーパーのおかげでいけるようになりました。ハーパーソーダを作るために、ソーダストリームを購入したほどです(笑)。
——ハーパーではアルコール飲料のただしい飲み方を啓発する「DRINKiQ」という取り組みを行っています。それについてどう感じますか。
何事もほどほどが大事ってことですね。サーフィンやゴルフをやりすぎちゃうことはよくあるんですが、お酒の飲み過ぎは体を壊しますからね。こういう考え方が世の中に広まれば、翌日もリラックスしてアウトドアを楽しめるんじゃないかなと。
——最後にI.W.HARPERオリジナルカクテルのハーパージュレップを飲んだ感想をお聞かせください。
爽やかで、とてもおいしいです。サーフィンとゴルフして、海のそばのBBQでこれを作って飲んだら最高じゃないですか。
photo◎Pero
text◎Ryoma Sato
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