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「放浪者と探求者」 with The MINI John Cooper Works Crossover (前編)

「放浪者と探求者」 with The MINI John Cooper Works Crossover (前編)

Roamers & Seekers

晩秋の朝6時、東京・自由が丘。まだ朝を迎えたばかりで人もまばらな街の一角に、ぽつりと明かりが点された小さなショップがあった。外壁にはレトロなタッチで描かれた『Roamers & Seekers』のタイポグラフィ。ガラス越しに見える店内には色とりどりのサーフボードが並んでいる。

「おはようございます」

挨拶とともに、店内からひとりの男性が出てきてくれた。彼の名は武藤龍寿。ニックネームはタツ。プロロングボーダーであり、完成したばかりのこのショップの店主だ。

「おはよう、タツくん。はい、これ」

そう言って彼に手渡したのはThe MINI John Cooper Works Crossover(以下 MINI JCW Crossover)のキー。今日はタツと、パートナーであり同じくプロロングボーダーである小高恵子にこのクルマを託し、思うまま一日を過ごしてもらう。行き先は彼らにお任せだ。

「了解しました。楽しみです。さっそく準備しますね」

笑顔でキーを受け取ったタツと恵子さんは、さっそく愛用のロングボードを運び出し、慣れた手さばきでMINI JCW のルーフバーに括りつけていった。

Follow The Waves

「この風とうねりの向きなら、南か東向きのポイントが良さそう。じゃ、僕たちについてきてください」とタツ。

風は北西2mから夕方に北東へ。潮まわりは大潮で、ロータイドはAM10時。前日まで雨を降らせていた低気圧からの南東うねりが風と共に落ち着き、コンディションが整いつつある……そんなふうに、サーファーたちはすこしでも良い波に巡り合うために、さまざまな情報を頭に入れて行き先を判断する。

それでも予想を外すことだってたくさんある。自然相手に絶対はない。それを承知でサーファーたちは夜も明けきらぬうちに支度を整え、まだ見ぬ波に夢を馳せながらロングドライブし、目的地を目指す。

仮に3時間海に入ったとして、実際に波に乗っている時間は長くても10分に満たないだろうか。自分がいちばん自分らしく輝けるわずかな時間のために、サーファーは人生の多くを費やす。時間も、そして情熱も。

割に合わない? そうかもしれない。でも、今こうしてサーフィンというカルチャーが発展し、世界中で愛されているのは、その一瞬の輝きが何物にも代えられない、特別なものだからだ。

Respect For History

MINI JCW Crossover に乗りこんだふたりは首都高を越えて、太平洋の関東エリア東岸へ。サーファーの間でも昔から多くのフリークがいるMINIだが、あらためて、ロングボードを乗せて走る姿は様になる。

タツも恵子さんも、人並みはずれたクルマ好きというわけではない。ただ、国内外を問わず、波を求めてクルマを走らせてきた距離はそうとうなもので、ともに「運転は大好き」と胸を張る。

思えばロングボードとMINIには大きな共通点がある。歴史へのリスペクトだ。

ロングボードはサーフィンという文化のなかでも、特にルーツを大切にする風潮がある。ボードデザイン然り、ライディング然り、盲目に進化ばかりを追い求めたりはしない。先人が築いてきたカルチャーをリスペクトしながら、今という時代を生きている。それはスタイルといってもいい。

同様に、MINIが1959年の誕生以来、ブランドのフィロソフィーを大切にしてきたことはエクステリアを見れば一目瞭然。ちなみに「JCW」とはジョン・クーパー・ワークスのこと。F1エンジニアの先駆者であったジョン・クーパーが手掛けた、レーシング・チャンピオンの系譜を継ぐモデルだ。1961年、小粒なファミリーカーだったClassic Miniを無敵のレーシングカーへと仕立て上げた伝説と血統は、今も正しく受け継がれている。

つまり、いまタツと恵子さんが乗っている The MINI John Cooper Works Crossoverは、MINIをベースにモータースポーツの真髄を体現してきたジョン・クーパー・ワークスの技術を注いだモデル。走る愉しさを詰め込んだ、もっともスリルに満ちたMINIである。

Tip Time

「着きました」

高速を降りて海岸線を北上すること30分。目的地へ到着した。と言っても、周辺にはいくつものサーフポイントがあり、これから気になる場所をチェックしていく。何年、何十年サーフィンをやっていても、波をチェックするときのドキドキは変わらない。

そしてこの日、私たちはなんと無人のブレイクと出会ってしまった。秘密のポイントというわけではなく、混雑している日もある。オフショア(海面を整える風)で波のシェイプもよく、運がいいとしか言いようがない。

「なんだか今日は恵まれているね」

プロとして活躍するふたりにとっても相当レアなことらしく、一瞬でスイッチが切り替わったことが傍から見ていてすぐに分かった。逸る気持ちを抑えながら早々に支度を整えたふたりは、それから3時間、存分に波を分かち合った。とても優雅に、でも際どく。ロングボーディングの真骨頂は、難しいことを、そう感じさせずにやりきることにある。力感なく、リラックスして見えるけれど、ふたりがやっていることは実はすごく難しい。

最後の1時間は他のサーファーも入ってきたけれど、ポイントを包むピュアな空気はそのままだった。きっと、そこにいるすべてのサーファーが、この巡り合わせに感謝していたのだと思う。

~ 後編へつづく(最下部リンクより) ~

The MINI John Cooper Works Crossover

◎全長×全幅×全高:4315×1820×1595㎜ ◎車両重量:1670kg ◎定員:4名 ◎駆動方式:4WD ◎トランク容量:450-1390L ◎エンジン:2.0リッター・ツインパワーターボ ◎トランスミッション:8速AT ◎最高出力:306PS ◎最高速度:250km/h ◎0-100km/h加速:5.1秒 ◎スポーツ・サスペンション ◎スポーツシート ◎専用4ピストン・ブレーキキャリパー ◎新フロントスポイラー&大型インテーク ◎リアスポイラー ◎マルチ・ディスプレイ・メーターパネル

その他専用オプション多数。

車両詳細は MINI公式ウェブサイト

「放浪者と探求者」 with The MINI John Cooper Works Crossover (後編)へ

surfer:Tatsutoshi Muto, Keiko Kodaka
photo:Yasuma Miura

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