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#029 – サーフなお家の実例集

#029 – サーフなお家の実例集

SNSに映っていた住まいのイメージは、夫婦が常日頃から共有していた
ヴィンテージ志向と見事に調和する空間だった。運命に引き寄せられるように
訪ねた先は、ずっと心を寄せていた鎌倉の四季を感じられる閑静な場所。
憧れをリアルに変え、家族の新たな人生がこの家とともに動き出す。

***

#029

家族の人生を変える家
神奈川・鎌倉

大きな出窓と、チャコールグレーのラップサイディングに映える鮮やかな色みの玄関ドアがファサードとなった外観。

黒皮鉄とハードウッドで構成された仕切りなく縦につながる空間や、内壁の上層部に設られた内倒しの窓。

これらの特徴的なインテリアが、さもアメリカ東海岸の倉庫のような空間を彷彿とさせるのが、デザインソースが監修する“BROOKLYN HOUSE®︎”だ。

今回お邪魔した福嶋さんたちも、この規格住宅が持つ空気感に惚れ込んでしまったご家族である。

上階フロアの一角。智也さんが長年蒐集してきたヴィンテージの家具や洋服がセンスよくまとめられた空間。壁の向こうはウォークイン・クローゼット

「SNSでブルックリンハウスを見つけ、『将来はこういう家に住めたらいいね』ってリサーチがてらデザインソースさんを尋ねたんです。

初めてでしたが、『すごくいい土地があるから見に行ってみる?』って連れて来てもらったのが、七里ヶ浜のこの場所でした(奥さま・里美さん)」

シンプルかつ、ほどよく自然体でかっこいい外観。ポコッと出た大きな窓がファサードとなっている。タイムレスなラップサイディングは好きなカラーをチョイスできる。

東京・表参道にあるヘアサロンの敏腕マネージャーとして活躍していた里美さんは、アシスタント時代から休暇が取れたらまずは鎌倉へ行って……と、長年足繁く通ってきたほど、大の鎌倉好き。

一方、旦那さまの智也さんは……。

「以前からヴィンテージの家具や装飾、洋服なんかも好きで、たくさん持っていて、どうせ住むならそういうアイテムがしっくり溶け込む家がいい、と探し始めた矢先に出会いました。ちょうど新婚旅行で訪れたNYから帰国したあとのタイミングでした(智也さん)」

2階の壁の向こう側は部屋を一直線に貫くウォークイン・クローゼット。スペースを有効活用する優れたアイデア

玄関から屋内へ足を踏み入れると肌で感じる、ラフな仕上げのモルタルや鉄、無垢材や帆布素材それぞれが織り交わり、その場にいる人々を刺激する。

家じゅうの家具や照明、建具や階段にいたるまでは、盟友スクエア・ファニチャーが仕上げている。

デザインソース代表の小林さんが、「彼らの仕事がハマる住宅モデルをつくりたかった」とその蜜月を語るほど、馴染み具合は抜群だ。

中2階のリビング空間はBROOKLYN HOUSE®︎最大の個性のひとつ

2019年初冬の弊誌80号でBROOKLYN HOUSE®︎の記念すべき第一号棟を取り上げさせてもらって以来、全国各地で何棟もの実例を手がけてきた中、入念にアップデートを繰り返し、現在にいたっている。

驚くべきは、その世界観が標準装備として建物とともにデフォルトで手に入るというところだろう。

1階のDK。広いキッチンと、ダイニングテーブルの上にぶら下がるインダストリアルな照明が象徴的。天井部分は構造材現しでラフな仕上げ

フラットな土間部分を通り過ぎるとダイニングキッチン。

キッチンのフロア部分は4.5帖と広く、おとな数人が立ってもゆとりを持って料理を楽しめそうな空間になっている。

2階から家族が集う1階のリビングを臨む。窓の向こうの広葉樹たちが鎌倉の四季の移ろいを知らせてくれる。奥さまの里美さんは、この美しいまちで自身のヘアサロンをオープンさせる予定だ。IG @zuma227

そこからスキップフロアで四段上がったところにある8帖のリビングは、屋根部分まで吹き抜けになった大空間。

約2m四方の大窓と、屋根部分に開けた明かり取りの窓のおかげで、非常に明るい。

非常にめずらしい一枚板のオーク材を使ったササラと、アイアン・チェッカープレートの踏み板の組み合わせ。見た目に飽きたら、鉄骨ササラ&オーク材踏み板の仕様にも“着替え”が可能

アップフロアへの特製階段は鉄骨と無垢のオーク材製。

ササラと踏み板の組み合わせは2パターンあり、ボルトで取り外しが可能なため、飽きたら“着替え”ができる珍しくも嬉しい仕様になっている。

そして、2階のベッドルームは広々25帖! 現在は寝室兼息子・朔久くんの遊び場だ。

2階ベッドルーム全景。1階リビングからの吹き抜けと見事に調和したゆとりある空間。内倒しの窓から差し込む午後の光が美しい。明かり取りの天窓もあるのでとても明るい

「他の家と比べてみても、やっぱり随所に特別感があります。

仮に自分たちで注文住宅を頼んだとしても、絶対に出てこないようなアイディアや仕様がたくさん含まれていると思いますね。

にもかかわらず、決まりきった感じもなく、わたしたち夫婦の色も出せる余白が残されている。

この家を気に入った、大きな理由のひとつです(里美さん)」

1階サニタリーもスクエア・ファニチャーの造作。理科の実験室にあるような大型シンクをワイド1600のタイル張り洗面化粧台に埋め込んである。ミラーの材は古い足場板を使用

ここに住み始めて以来、智也さんはサーフィンへ向かう頻度が増え、里美さんは東京・表参道の姉妹店をここ鎌倉に構え、共同代表としてヘアサロンを切り盛りするようになった。

そして近々、自身の店をオープンさせる予定だ。

玄関土間からサッシを開ければ屋外デッキへと通じる。休みの日にはサーフボードをメンテナンスしたり、友人が訪ねてくればBBQもよくするそう

「大好きな自然も海もある鎌倉を、毎日身近に感じられるようになったのは大きな変化です。

『いつかは……』という思いに対して、背中を押してくれたデザインソース小林さんたちには感謝しています。

都内にいたら、自分たちの中で子どもを持つ余裕もなかったかもしれない。

この家とまちに人生を変えてもらった気分です(里美さん)」

***

DATA

種別:規格住宅
構造:木造在来工法2階建て
敷地:196.53㎡(59.45坪)
建築:57.96㎡(17.53坪)
延床:105.98㎡(32.05坪)
企画:デザインソース

スキップフロアは空間に豊かな変化をもたらすとともに、住まい手に居場所も与えてくれる。床材は高級感のあるオークの無垢材を使用

【この家を手がけた会社】

デザインソース
www.design-source.jp

photo◎Kaoru Fujimoto text◎Isao Negishi(KUJIKA)

BLUE. 108

2025年11月10日発売

東京サーフサイド

2025年11月10日発売

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スタッフ募集のお知らせ。Blue.より

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FISH FRY JAPAN with Bird’s Surf Shed 2025【御礼】

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