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人や歴史、文化の理解が
サーフィンをもっと面白くする
1950年創業。カリフォルニアを代表する老舗ブランドとして多くの才能を輩出してきたホビー。その日本代理店として20年以上ホビー社と良好な関係を続ける井上さん。偉大な歴史を有するブランドを正しい形で日本に伝えるのが、氏の使命であり喜びだ。
「長くショップを続けていると、時代の移り変わりを感じます。ボードデザインの流行りもある。ファッションならその波に乗ったり、旬のブランドを扱うべきかもしれない。でもサーフボードはちがいます。創業時から培われてきた技術や経験は財産です。サーフィンは奥が深いだけに信頼できるボードが不可欠。ビッグブランドながら胡座をかかず、クラフツマンシップを受け継ぎながらも新しいデザインにトライする。ホビーのそんな謙虚な姿勢が好きなんです」
ホビーは1954年にカリフォルニアで初となるサーフショップをオープン。1958年にはフォーム製のサーフボードを世に送り出し、クラークフォームの立ち上げや世界初のシグネチャーモデルの発表など、サーフボードの進化に大きな役目を果たしてきた。井上さんは年に一度は現地に赴き、そんなホビーと信頼関係を構築してきた。鵠沼のショップでは、ブレることなくホビーと、その薫陶を受けて育ったタイラー・ウォーレンのボードだけを扱っている。
「歴史に恥じないよう、ブランドの背景やボードデザインなど、ホビーの魅力をできるだけわかりやすく説明することに全身全霊を注いでいます。ホビーは僕から取り扱いを懇願したブランドなんです。初めて本国のホビーから電話がかかってきた時の興奮は、今でもはっきり覚えています」
ただの道具ではなく、歴史や文化、ビルダーのソウルが混じり合うことでサーフボードは完成する。それがサーフィンの面白いところであり、奥深さでもある。
「最高だった~! そう言って海から帰ってくるサーファーたちの笑顔を見るのが好きなんです。サーフィンは単なるスポーツじゃなく、自然との調和。その相棒がホビーだったら絶対にかっこいい」
フィル・エドワーズ、マイク・ヒンソン、ミーキー・ムニョスなど、カリフォルニアの黄金時代を彩ったスターの多くがホビーに所属していた。サーフムービーの金字塔『エンドレス・サマー』の変わらぬ煌めきは、ホビーが歩んできた歴史の一ページでもある。
「長く楽しくサーフィンを続けて欲しいから、ギアはもちろん技術的なサポートも喜んでしています。いろんなデザインやレングスのボードを楽しむことで幅も広がる。それはきっとサーフィンの本質を知ることにつながるはずだから」
2025年には25周年を迎えるホビー・サーフボード・ジャパン。20周年の際には「HOBIE SURFBOARDS Kugenuma Japan」ロゴのTシャツをアメリカ本国でもリリースしたそうだ。
「先日、環境の変化でしばらく海から遠ざかっていたお客さんが戻ってきてくれたんです。嬉しかったな。時代に流されることなく、実直にやってきて良かった」
井上さんの謙虚な姿勢は、本家ホビーにも負けてはいない。
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『 Hobie 』
◎住所: 神奈川県藤沢市片瀬5-11-7
◎TEL: 0466-25-9990
◎営業: 10:00~19:00
◎休み: なし
[取り扱いブランド]
Hobie Surfboards、 Tyler Warren Shapes、 Destination、 Rainbow Fin Company、 TCSS、 Banks、 TES、 Yellow Rat、 Birdwell
photo◎Pero text◎Akemi Kan
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