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10年にわたるヴァンライフで見つけた理想を詰め込んだ、サーフ仕様のキャンピングカー “ Cardiff ”

10年にわたるヴァンライフで見つけた理想を詰め込んだ、サーフ仕様のキャンピングカー “ Cardiff ”

RV Land × BONS Casa de verano

“ Cardiff ”

海へ向かう道のりも、ウエットスーツに着替えて波を待つ時間も、サーフィンを終えたあとのひとときも ── キャンパーがあれば、海のそばで過ごす一日はもっと自由になる。10年にわたるヴァンライフのなかで見つけた「こうだったらいいな」を、ロングボーダーの視点で一台に凝縮。使いやすさも、居心地も、ルックスも妥協しないBONSとRVランドが形にした“カーディフ”は、サーファーの毎日に、海辺でゆったりと過ごす楽しみを運んでくれる。

千葉北エリア、大網白里市にショップを構えるサーフ・ブティック「BONS Casa de varano」を主宰するのは横内さん(左)、島尻さん(右)ご夫妻。フィアット・デュカトL3H2がベースのキャンパー “カーディフ” は後方トビラが観音開きで、人も11ftのロングボードも自在にアクセス可能だ。レイアウトは向かって左側がシャワールーム。右側上段と中段は就寝にもサーフボードの収納にも便利なスペース、下段はワックスなどの小物収納スペースになっている

* * *

 朝陽を浴びながら、モノトーンの見惚れる車体がこちらへゆっくりと近づいてくる。
「基本はデイリーユース。これでいつも日々のサーフィンに行っています(横内さん)」
 真夏の砂浜、真冬のアフターサーフ、そして優しいオフショアが頬を撫でる春と秋。どの季節もキャンパーで過ごすひとときは最高なんだとか!
 ドライバーは横内さん、助手席には島尻さん。千葉北エリアでサーフ・ブティック、ボンズ・カーサ・デ・ヴェラーノを主宰するご夫婦だ。まあ、Blue.の読者であればご存知のかたは多いだろう。実は随分と前にメルセデス・ベンツのトランスポーター、スプリンターをベースにしたキャンパーがステキ過ぎて、撮影させてもらった記憶がよみがえる。ご夫婦にとって、このキャンパーは2代目だ。

エクステリアにこだわったのは横内さん。AIを用いて何度もシミュレーションし、フロントバンパー上の両サイドをマットブラックで仕上げた 

 今回彼らがチョイスしたのは、フィアットの商用車、デュカトL3H2をベースにした特別仕様車。何がスペシャルかというと、こちらのモデル、横内さんと島尻さんが送ってきたここ10年のヴァンライフのなかで、「もう少しこうだったら……」という思いの丈をすべて詰め込んだ、サーファーのための走るお家の結晶だから。彼らはそれに、自身のサーフィンライフに大きな影響を与えてきた南カリフォルニアのサーフタウン“カーディフ”の名を付けた。

 そして、その思いをサポートしたのは、全国でキャンパー専門店を展開するRVランド。担当の山森さんとは海を通じて知り合った仲だ。
 10フィート近いクイーバーの数々を入れても居住性を諦めないこと。サーファーに快適な動線を考慮したレイアウトであること。女性のライフスタイルに寄り添いながら、ルックスもクールであること。 ── そんなイメージを、山森さんに何度も伝えた。「最初は話半分でしたが、会うたびに『どうかな?』って話をいただいて。この人たちは本気だと思い始めたんです(山森さん)」。そして約2年前から、カーディフモデル誕生へのプロジェクトが本格的に動き始めたのだった。

L字型のソファに回転式テーブルを引き出せば、そこはまるでダイナーのような装い
グレーの車体をスチールホイールやフェンダー、ルーフラックなどマットブラックで挟むことで、全体の雰囲気が締まった

「完全なるドリームカー。
究極の走るワンルームです」

 一般的なキャンパーはバックドアがないものが多く、出入り口は車体中央、そして後方にベッド、中央にシャワールームや冷蔵庫が配されていることが多い。
「長いレングスのボードを一本ずつ斜めにして小さなドアから出し入れするのは大変だし、通路にボードを置かないと居住スペースが確保できないので、結果シャワールームのドアが開かへん、冷蔵庫の扉が開かへんってなるんです。そこがネック(横内さん)」
 そんな煩わしさがないよう考えられたのが、アフターサーフの一連の動きを邪魔しない設備のレイアウトだった。浴室が最後方にあり、屋外からもアクセスできる。
「特に冬場はウエットスーツのまま浴室に入って、ホットシャワーを浴びてからリビングで服を着る動線なのに、クルマの真ん中あたりにシャワールームがあると、濡れたまま屋内へ上がらないといけない。それはストレスだなって(島尻さん)」
 山森さんもこの動線には納得がいった。
「見事だなと思いました。スプリンターに乗り続けて、いろいろ経験されてきたからこそ、この動線が生まれたのかなって(山森さん)」

 そして、シャワールームにはFFヒーターも引かれている。
「ウエットスーツはじめ、濡れたものを干しておけます。いわば浴室乾燥です(島尻さん)」
 一方で、ロングボードを積んでも就寝と居住スペースはしっかり確保されている。リビング中央から後方はスライド式でフルフラットに拡張するソファベッドを擁し、キャブ後方はダイナーを思わせるL字型のソファ席を設置。コーヒータイムが待ち遠しい。

 そして電装も充実している。居住スペースの天井の隅に這わせたダクトレールで、照明はもちろんスマホの充電もらくらく。さらにはポータブルプロジェクターのステイも取り付けられていて、映像鑑賞もできてしまう。電源には超大容量のポータブル電源を採用し、追加バッテリーも搭載。走行充電にも対応している。その恩恵を最大限に受けるのは、備え付けのルーフエアコンだ。その時の使用状況から、あとどれくらいの時間使用できるかもスマホのアプリ上でひと目で確認できる。
「エンジンを止めた状態で7時間くらい稼働できちゃいます。さらに別添のソーラーパネルにも接続できるので、ペットがいるサーファーも、万が一の災害時にも対応できそうで頼もしいですね(島尻さん)」
 トイレは災害時に使われるような簡易トイレが引き出しの中に目隠しで収めてある。
「ビーチに一日中いるような時や、公共トイレがないような場所もあるので。あまり使わないけど安心感があります(島尻さん)」

 電装や架装のディテールについては島尻さんのアイデアが多い一方、ルックスのデザインは横内さんの意見が強く反映されている。
「いわゆるキャンピングカーっぽい雰囲気はイヤだったので、ちょっと無骨な商用車っぽい感じにしたんです(横内さん)」
 ラダーとルーフラックを備え、スチールホイールもマットブラックに揃えた。インテリアにはミッドセンチュリーを思わせるダークチェリーウッドカラーを選んだ。

ショップを始める前は宮崎や四万十、北海道など度々長期のサーフトリップに出かけていたという横内さんと島尻さんご夫妻。理想のキャンパーを手に入れた今、また旅に出たいという衝動に駆られている

 取材当日、カーディフに荷が積まれた姿を初めて見た山森さん。
「こうやってサーフボードや暮らしのギアがクルマに積まれているのを見て初めて、カーディフがついに完成したんだなっていう気持ちになりました(山森さん)」

「ロングボーダー夫婦には完全なるドリームカーになりましたね。究極の走るワンルームです(横内さん)」

 ふたりが10年という歳月をかけてキャンパーと付き合ってきた先に生まれたカーディフは、海のそばで過ごす時間そのものをより自由にしてくれる、サーファーならではの一台になった。

“ Cardiff ” (カーディフ)
FIAT DUCATO L3H2

●全長 × 全幅 × 全高:5,995 × 2,050 × 2,525mm ●駆動方式:2WD ●乗車定員:4名 ●就寝定員:3名 ●価格:¥13,900,000~

【キャンパー架装装備一例】
ロングソファー&スライドアウトベッド / 跳ね上げベッド / 2WAYスライドテーブル / 電子レンジ / 100Vダクトレール×3 / サニタリールーム / ポータブル電源 DELTA Pro 3 4000Wh / 3600W / EcoFlow 800W オルタネーターチャージャー ほか

photo◎Pak Ok Sun
text◎Isao Negishi (KUJIKA)
model◎Jumpei Yokouchi、Yuko Shimajiri

右から横内さん、島尻さん、そしてRV Landの山森さん。撮影後はみんなでフリーサーフィン♪

BLUE. 111

2026年9月10日発売

【20周年記念特集】Blue.全号アーカイブ

2026年9月10日発売

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