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#003 – サーフなお家の実例集

#003 – サーフなお家の実例集
 
 
 
 
日本屈指のサーフタウン湘南のコーストラインから南東に続く葉山は、
皇室の御用邸もある風光明媚な土地。
昔から景観が守られ、棲み手の意識も特別だ。
今回は、大切な隣人から受け継ぎ、次世代へ譲り継ぐ家をご紹介しよう。
 
 
 ***
 
 
 
 

#003

受け継ぐものを守る家
神奈川・葉山

 

 

 

三浦半島の丘陵地帯にあたる葉山は、その複雑な地勢から豊かな景観を求めて住まう人々が多い。
だからこそ既存の住宅デザインにとらわれない、立地の特異性と住み手の嗜好を上手く取り合わせた住まいが求められる。
今回お邪魔させていただいた白亜の家は、その好例だ。

 

それまで都内のマンション暮らしだった若いご夫婦が選んだ立地は、サーファーである旦那さまのご実家の真下。
子供の頃からお隣で、よく知る外国人夫妻からその場を引き継いでくれないかという打診があった。

 

「庭にある大きなココスヤシは残して欲しい」

 

老夫婦の願いを受け入れる形で次なる人生の場所を手に入れた。

 

(白く四角いシャープな建物に、有機的なココスヤシの葉の緑が映える)

 

そこには老夫妻が建てたハワイアンテイストの家があり、最初はそれを活かすリノベーションの道を考えて多くの住宅関連会社を訪ねた。そのなかで出会ったのがスターホームだった。

 

「引き継いだ家は柱などの躯体もシロアリの害などで老朽化していました。近い予算で新築したほうが長く住めるのでは、と親身に話しを聞いてくれたのがスターホームさんに決めた理由のひとつです。
オフィスがごく近所にあったというのも大きいですね。地元の地勢や環境を熟知している住宅会社だからこそ、この地らしい家を建ててくれるのでは……と思ったんです」

 

(2階から玄関土間部分を臨む。壁二面はあえて構造材を剥き出しにしてヌケのある空間を演出。構造材にそのままラックを打ち付けて自転車をハングすることも可能)
(見せるシュークローゼット。こちらもあえて合板を使ってラフでリラックスした印象に)

 

建物のイメージは、SNS上にある好みの事例を収集しながら互いに共有することで、何度も積み重ねた。
設計を担当したスターホーム松野氏は語る。

 

「実は入社して第一棟目の案件でしたが、とても満足いただけるものを提供できたと思っています。
成功の秘訣はなんと言っても奥さまとの密なコミュニケーション。毎度、松野さんとお話しがしたい、としっかり指名していただけたことで、大きな責任感も生まれました」

 

(2階の隅につくったテレワークスペース。とても小さな空間だが1階からの吹き抜けと隣り合わせなので、まったく圧迫感がなく、仕事もはかどるという。予期せぬ事態に利用価値がグンと増えた。違い棚に見える木製のプレートは実は飼い猫の遊戯階段)
(キッチン全体のルックスも海外経験のある奥さまの要望を大きく反映。落ち着いたグレー色が大人っぽい。建具の金具やタイル、木材などディテールにもこだわった。旦那さまとふたりでキッチンに立つことも多いそうで、広々した空間だ。収納もかなり多く、使い勝手も良い)
(2階LDKの壁とサッシを隔てた屋外は、広々デッキスペース。友人たちを招いてのパーティなどいろんなシーンが想像できる)

 

ご夫妻に提案したのは、2階にLDK26畳とそれに続く10畳余りのウッドデッキを擁した家。

 

2階建てであれば地上階にリビングと庭、2階に寝室というのが常套だが、隣接する旦那さまの実家が一段高い土地に建っており、コンクリートの法面が地上階からの視界を遮り、空間も暗くしていた。
そこで、悪条件を逆手にとって、2階は天井を高くして大きなペアガラスとサッシを採用、多くの自然光を取り込み、広い視界も手に入れた。大窓からは敷地のランドマークであるココスヤシの堂々とした姿も眺められる。

 

外の広いデッキスペースはアウトドア好きな旦那さまと友人たちとのBBQスペースで、サーフボードのメンテ時にも重宝しそう。一方、1階は意識的に天井を低くして落ち着ける空間を演出。ゲストルームや主寝室、バスルームを設置した。
玄関は吹き抜けの土間になっており、ロングボードも余裕で立てかけられる天井の高さ。階段の鉄骨ササラがファサードとなり、2階の大空間へ向かう高揚感を醸成してくれている。

 

(1階の土間部分。蹴り込みのない階段は空間を広く感じさせる。ロングボードを縦置きできる高さのある空間は日本のロガーの憧れ)
(1階の洗面スペース。アメリカ西海岸での生活経験がある奥さまが「とっても便利な暮らしの導線だった」と新居でも採用した、主寝室、バスルーム、洗面、ウォークインクローゼット、ウォッシングスペースをごく近い位置にレイアウトした1階奥の空間)
(天井を低くして良質な眠りを誘う主寝室。壁の色は隣り合わせた洗面スペースのタイルやチェアの色みと合わせた)
(広いウォークインクローゼットはとっても効率的な収納空間)

 

「間取りをどうするかとかではなく、どういったライフスタイルを送っていきたいのか。
家族の長い人生をイメージしながら日々幸せを感じられる家づくりをサポートしていきたいですね」

 

新居引き渡しとほぼ時を同じくして待望のご長男もこの世に生を受けた。

 

その日はこの家に関わってきたみなで彼を祝福しているかのようだった。

 

 

***

 

DATA

種別:注文住宅
居住者構成:夫婦+こども1人
構造・規模:木造2×4二階建て
敷地:168.96㎡(51.11坪)
建築:57.96㎡(17.53坪)
延床:109.30㎡(33.06坪)

 

 

(リビングの大窓からもこの家のランドマークであるヤシの木を臨めることができる。まるで屋外と繋がっているかのような錯覚感)

 

 

 

【この家を手がけた会社】

スターホーム
www.star-home.co.jp

 

 

 

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