Blue.

  • FB
  • INSTAGRAM

STEVE BROM Huntington Fish

posted Nov 9, 2015

_DSC4781
STEVE BROM
Huntington Fish
◎シェイパー:スティーブ・ブロム
◎ディメンション:5’11″×20 5/8×2 11/16
◎価格(新品):¥157,000+TAX
◎ライダー:市東重明pro(175cm/70Kg)
◎Photo:Kaoru Fujimoto
brom1

’70年代にデビット・ヌヒワが在籍した「DYNO Surfboards(ダイノ・サーフボード)」のヘッドシェイパーをつとめ、ヌヒワが愛したロケット・フィッシュをはじめ、数々の名作を生んだレジェンド・シェイパー、スティーブ・ブロム。ダイノと言えばハンティントンだが、ブロムの拠点は現在サンタバーバラにある。彼はここで、今なお当時のテンプレートを用いながら日々シェイプに磨きをかけている。2015年には往年のイーグルマークが復活し大きな話題となった。翼の開きは逆にしたが、往年のアウトラインとイーグルマークが放つ存在感は、まさに別格といっていいだろう。そして、ブロムは現在手がけているモデルについてこう語る。

「私がデザインしているフィッシュはアウトラインこそ当時のテンプレートを使用しているが、私がいま持てるすべての技術とアイデアを注ぎ込んでいる(Blue.54号より)」

つまりスティーブ・ブロム・サーフボードは、当時のクラシックなアウトラインを継承しながら、今なお進化しているというわけだ。そんな名匠が手掛けるフィッシュには、リンコン・フィッシュやハンティントン・フィッシュなど、いくつかのバリエーションが存在する。今回はその中からハンティントン・フィッシュを紹介したい。文字通りリンコンの波を想定したリンコン・フィッシュに比べ、ハンティントン・フィッシュはより丸みを帯びたアウトラインとなる。一見すると、サンディエゴ系のフィッシュと違いが分からないかもしれないが、ディテールはまったくの別物。特に違うのはテールデザインとフィン形状だろう。

ブロム2

サンディエゴ・フィッシュのテールは、両翼の外側がストレート気味に落とされ、内側は円を描くようなカーブをとる。一方で、ブロムのハンティントン・フィッシュは、フィッシュ黎明期からの発想により近い「ピンテールが2つ」と呼ぶにふさわしいデザイン。3本のグルーストリンガーの視覚作用も手伝い、片方のテールだけに注視したら本当にピンテールのようだ。テール幅もやや狭く、シングル~リバースVEEへとつながるボトム形状と相まって、よりはっきりとレールtoレールの切り替えを体感できそうだ。

ブロム1

そして、もうひとつの大きな特徴がフィン。サンディエゴ・フィッシュは基本プライウッドのキールフィンを使用し、両面フォイルがスタンダードだ。一方でスティーブ・ブロムはグラスフィンを使用。デザインも一般的なキールフィンよりも絞った、レイキングアングル強めの形状だ。フォイルも片面フォイルとなる。そしてフィンのセット位置にも注目で、サンディエゴ・フィッシュに比べ2~3インチ前に、寝かせた角度でセットされている。両者の違いを総合的に判断すると、サンディエゴ・フィッシュはよりスピード重視、ハンティントン・フィッシュはよりパフォーマンスを重視したセッティングと言えそうだ。乗り手により好みは違うだろうが、こと「動く」という点を重視するサーファーにとっては、ブロムのハンティントン・フィッシュは心強い味方となりそうだ。特に、機敏な対応を求められるビーチブレイクが多い日本が舞台なら、なおさら。

_DSC4847

 

★ IMPRESSION ★

 

今回ハンティントン・フィッシュを試乗してくれたのは市東重明プロ。非常にレベルの高い話だが、市東プロはシングル~リバースVEEのテール形状を活かして水流を効果的に促しながら、フローを生み出しぐいぐいとスピードに乗せていった。先の解説でパフォーマンス重視と説明したが、その利点を生かせばスピードを得ることは十分可能なのだ。この日の波はパワーのない腰~腹。それでも圧巻の加速を見せ、市東プロ自身も感銘を受けていた。
_DSC4577

程よい重さとロッカーから生み出される、ダウンザラインからのスピードも好感触。「スケートでプールを滑ってるような感覚」と市東プロ。カットバック時の引っ掛かりも気にならずスムースに旋回。
_DSC4596
バックサイドでのライディングでも「フロウとトップターンの伸びは絶妙」とのこと。フィッシュでのバックサイドは苦手というサーファーは少なくないが、大丈夫、しかるべきタイミングでテイクオフしたら、あとは波とボードに身をゆだねればいい。
_DSC4683
あらためて、フィッシュはトレンドではなく、サーフィンの歴史が生んだ名作であると感じさせてくれたハンティントン・フィッシュ。日本ではサンディエゴ・フィッシュばかりに注目が集まってきたが、掘り下げれば異なるフィーリングを与えてくれる“ザ・スタンダード”はまだ存在する。その筆頭が、デビッド・ヌヒワが愛したアウトラインをまといながら、更なる進化を遂げるハンティントン・フィッシュだ。そして、もしあなたがより猛々しい波にフィッシュで挑みたいなら、リンコン・フィッシュという選択肢もありだろう。いずれ劣らぬ、名匠スティーブ・ブロムの自信作である。

 

=Special Thanks=
ホーリースモーク
TEL:045-914-5573
http://www.holysmoke.jp


© BLUE.ALL RIGHT RESERVED.