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新生OSHMAN’S原宿店OPEN特注ボード詳細!

posted Jun 9, 2020

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皆さま、こんにちは!

6月10日にBlue.83号がリリースされました。パチパチパチ! と拍手喝采したいところなのですが、おめでたさという点ではこちら様の足元にも及びません。

 

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そう、“新生”オッシュマンズ原宿店が6月9日についにオープンしたのです。

立地は旧オッシュマンズ原宿店とほぼ同位置の原宿駅前にできた新複合施設『WITH HARAJUKU』内。撮影のためオープンのちょっと前に伺ってびっくり。施設内はウッドやグリーンの風情にあふれ、日本屈指のカルチャーの交差点、原宿駅前とは思えないのどかさ。思わずホゲーっとなりました。

ま、このあたりはあまり語ると行く楽しみを奪っちゃいますね。ぜひいちど遊びに行ってみてください。とってもいい雰囲気です。

 

さて、そんなオープン情報についてはBlue.83号の巻頭ニュース「WHAT’S UP」でも紹介中。その記事内で「オープン記念の特注ボードの詳細に関してはBlue.のダイアリーにて!」と書いてしまいました(先延ばし)。

はい、こちらのページがそれです。締め切り明け早々に再びカキカキタイム。では、いざご紹介していきましょう。

ボードは全6本。Blue.的には鼻息が荒くなるボードばかりです。

 

……あ、その前にひとつお断わりを。

今回紹介しているサーフボードのディメンションやスペック情報はモデルごとにまちまちです。レングスのみの表記もあり、幅や厚みが気になる方も多いと思いますが、オルタナティブボードは一般的なショートボードと異なり、ボリューム配分のメリハリが非常に大きいです。短くても数字以上に高浮力だったり、幅はあるけど全体の浮力を削ぎ落していたり。

それは「長×幅×厚」という3つの数字だけでは表せないオルタナティブボードの魅力でもあり、ディメンションの数字や、コンケーブなどピンポイントなパートだけで性能を判断されることを好まないシェイパーも多いです。サーフボードはたくさんの曲線の集合体ですからね。

なので、そんなボードについてはレングスと写真でフィーリングをイメージしていただき、さらに気になる方はぜひ実物に会いにオッシュマンズ原宿店へ行ってみてください。原宿店限定、各1本の特注ボードです。

 

では、本当にいざ。

 

* * *

 

#01

NEAL PURCHASE JNR.

 

◎モデル:DUO
◎サイズ:6’6″
◎フィン:デュアル(シングルボックス×2)
◎価格:¥185,000(税別)フィン付

 

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まずはニール・パーチェス Jnr.が手掛けるデュアルフィンの傑作、“DUO(デュオ)から。

ツインとデュアル。どちらも「2つ」を意味しますが、ボードデザインにおける双方のイメージはけっこうちがいますね。フィッシュをはじめ、たいてい2枚のフィンシステムのボードは「ツイン」と呼ばれることが多く、「デュアル」については、シングルボックスを平行にセットしたご覧のDUOのようなシステムを示すことが多いです。ただし、ここに明確な定義はなく、ツインのことをデュアルと呼ぶシェイパーもいるのでご承知おきを。

ちなみにツインとデュアルに関しては、Blue.64号でこれでもかというくらいこってり特集しているので興味がある方はぜひ。とりあえず、ここではデュアルと呼びましょう。

近年、デュアルが脚光を浴びるようになったのは問答無用でニール・パーチェス Jnr.(以下NPJ)の功績がいちばんです。シングルボックス×2というクラシックなシステムを、NPJは現代的なボードデザインと完璧にシンクロさせるまで、相当なテストを重ねて研鑽を積んできました。その末に、2つのボックス間の距離はボードのサイズが変わっても基本は6インチという回答を導いています。

アンドリュー・キッドマンの名作フィルム『GLASS LOVE』で名を馳せた通り、サーファーとしてもずば抜けているNPJだからこそできた壮大な試行錯誤。ちなみにNPJはBlue.の取材で、このフィンシステムを「デュアル・シングル」と語っています。

乗り味については本人の台詞がいちばん明確。

「もっとも(フィーリングが)近いのは2+1のセットアップかな。でもDUOの方が速い。ポケットのあるスティープな波では短めのボードが調子よく、シングルフィンっぽいピボットな感覚でサーフィンができる。パワフルでホローな波だとグライドしてもものすごく速いんだけど、Sターンも描けるし、ロングドライブのあとにビュッとバーティカルに上がることもできる。フラットな波ならミッドレングスで乗るのもいいだろう。ミッドレングスの特徴に、さらにダイナミックさを加え、レールの長さを使ったシングルフィンに近いドライブが味わえる。もともとディープフィンだからボリュームと幅と長さがあるデザインに合うんだと思う(Blue.64号より)」

ご覧のDUOは6’6″。ショートボードとミッドレングスのちょうど境界あたりのレングスなので、フィーリングを想像するには最高の回答ですね。

 

* * *

 

#02

RYAN BURCH

 

◎モデル:Squid Fish
◎サイズ:5’7″×20 7/8″×2 7/16″
◎フィン:グラスオン・キール(片面フォイル)
◎ボトム:ディープシングル
◎レール:フラットデッキ~ダウンレール
◎ロッカー:ノーズ&テールともフィッシュとしてはやや強め
◎価格:¥233,000(税抜)

 

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乗り手としても削り手としてもスーパーオールラウンダー。ライアン・バーチはサンディエゴという風土が育てた才能の結晶。

サーファーとしての実力は周知のとおり、シェイパーとしても、王道を知るスキップ・フライ、異端を知るカール・エクストローム(アシンメトリー・デザインの第一人者)という巨匠たちからその才を称賛されるのだから、まぁ突き抜けてます。

常識にとらわれない柔軟な発想を基盤に、多彩なアプローチで注目されてきたバーチですが、“Squid Fish(スクイッド・フィッシュ)”に関しては“サンディエゴの伝統を受け継ぎながら自分らしく熟成を重ねてきた”という点で、特別なモデルという気がします。

1960年代後半のサンディエゴ・フィッシュの黎明期を第1章、オルタナティブ・ボードの旗手として復権を果たした2000年初期を第2章とするならば、若くて腕のいいサーファー・シェイパーたちを中心に、伝統と高機動性を融合させたハイパフォーマンス・フィッシュが続々と誕生している現在は、第3章と言ってもいいでしょう。ライアン・バーチはその先駆者、スクイッド・フィッシュはその筆頭です。

現在のカリフォルニアを代表するグラッサー、スーパーウルフが手掛けたアブストラクトも秀逸ですね。気になる機能性に関しては、以前にたっぷり書いた記事があるので下記をご参照ください。

 

(ライアン・バーチFISH徹底検証 by Blue.)

http://www.blue-mag.com/diary/ryanburch01/

http://www.blue-mag.com/diary/ryanburch02/

 

 

* * *

 

#03

MANDALA CUSTOM SHAPES

 

◎モデル:California Stubbies
◎サイズ:6’6″
◎フィン:シングルボックス
◎ボトム:ロール~VEE(エッジ内側はシングル~ダブル)
◎ロッカー:ノーズロッカーは少しあり、テールロッカーは抑えめ
◎価格:¥193,710(税別)

 

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マンダラの削り手はマニュエル・カロ。通称マニー。工芸品のように優雅、でも戦闘機のように無駄がなくて、それでいて、どこかアートのようにユニーク。それがマニーのボードに対するBlue.の勝手な印象。グラッシングはたいていシンプルなんですけどね。真骨頂はトライプレーン・ハルをベースにした意匠で、こちらのエッジボードもそんなモデル。

エッジボードはジョージ・グリーノーが1970年代に導いたボードコンセプトで、半世紀のときを経た今あらためて脚光を浴び、何人かの優れたシェイパーによってモダナイズされています。マニーもそのうちのひとりで、このモデルはマニーの定番モデルである“California Stubbies(カリフォルニア・スタビー)”のエッジボード・バージョン。

ハルとエッジボードは奇才グリーノーによって歴史的にも交わりをもったデザイン同士。現代のシェイパーで双方の特性をしっかり理解し、美しくブレンドできるシェイパーはとても少ないのでは。当然、マニーはその筆頭と言えるひとりでしょう。

おそらくエッジボードを欲しいという人は、すでにこの特徴あるデザインについてかなり知識があると思います。かいつまむと、ロールするエントリーからすっと滑り出し、エッジの存在が、節水面積(抵抗)を抑えて加速を導く、センターの浮力(厚み)を確保する一方で、レール厚を抑えて優れたターン性能を導く……という理に適った、夢のような性能を両立させています。

なお、エッジボードの乗り味は個性的な見た目からは想像できないくらいマイルドです。トライプレーン・ハルの個性を活かしたマニーのデザインは、おそらくスピードや操作性だけじゃなく、フィーリングの心地よさも兼ね備えているはず。

 

* * *

 

#04

CHRISTENSON

 

◎モデル:Huntsman
◎サイズ:7’0″×21 1/4″×2 7/16″
◎フィン:シングルボックス
◎ボトム:フラット~vee (その中に薄くコンケーブ)
◎レール:マイルドなダウンレール~テール寄りはしっかりエッジ
◎ロッカー:抑えめ
◎価格:¥251,700(税別)

 

 

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2019年に生まれたクリステンソンのニューモデル。長いこと色んなボードを見て触って撮影してきたBlue.ですが、「シェイプが美しいシェイパーは誰?」と聞かれたら、クリステンソンは確実に思い出すひとりです。

“Huntsman(ハンツマン)”は一見クリーンなエッグで、他のモデルとどう違うの? と思うかもしれませんが、クリステンソンの凄みはまさにそこ。どのモデルも極めて均整のとれたプロポーションで(とにかくバランスがいい)、エッジィな個性をあまり求めないんですよね。あくまで機能美を追求し、見た目レベルだと本人しか分からないくらい繊細なディテールの掛け合わせでモデル特性を導きます。

クリステンソンにはすでにCバケットとフラット・トラッカーという名作が存在しますが、このハンツマンと3本並べて、違いがすぐに分かる人は少ないと思います。でも乗り味は別物、という玄人気質。

で、こちらのハンツマン、おそらく彼のモデル中でも特にサンディエゴ・エッグの趣が強いモデルなのでは、と。ただし、純クラシックなそれとは似て非なるものとして。ボトムはフラット~VEE。レールはマイルドなダウンレールからテールにかけてしっかりとしたエッジへつなげています。

この“マイルドな”というのがミソで、クリステンソンはディテールのさじ加減で洗練されたモダンさを導ける才能の持ち主で、ゆえに「ここが決定的に違う」という説明ができないのですが、最大の特徴はターンを含めた軽やかな動き。テールを使えるサーファーなら、かなりタイトなラインを描けるモデルです。

小波からオーバーヘッド、またはそれ以上でも、サーファーの技量に応じて大抵の波はこれでいけるでしょう。あなたが普段、どんなサーフボードに乗っているかで、かなり用途が変わってくると思いますが、オールラウンドであることに疑いはありません。

 

* * *

 

#05

THC (THE HUEVO CLUB)

 

◎モデル:Magic
◎サイズ:7’0″×22″×3 1/8″
◎フィン:シングルボックス
◎レール:ボキシー
◎ロッカー:抑えめ
◎価格:¥200,000(税別)

 

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ジョエル・チューダーの新ブランド「THC」はTHE HUEVO CLUB(ザ・フエボクラブ)に由来。フエボとはスペイン語で「卵(エッグ)」という意味。その名の通り現ラインナップはすべてエッグという、ある意味異端ですね。

THCについてはBlue,もまだ直で取材をしたことがなく、限られた情報しか得られていないのですが、ジョエルが関わる他のブランドとはどう差別化しているんでしょうね。このあたりは近い将来ちゃんと明確にしたいところです。

THCのシェイプを手掛けるのはホイ・ランネルス。サンディエゴをホームとする大ベテランで、かつてはG&S(Gordon&Smith)にも在籍。シェイプスタートが1968年ということなので、つまりスキップ・フライの歩みと完全にリンクしますね。

実際THCのエッグはサンディエゴ・エッグがベースで、過去4万本以上をシェイプしてきたホイ・ランネルスが手掛けるそれは本物中の本物。新ブランドながら血統書付きみたいなものです。ジョエルの信頼も篤く、かつてのKOOKBOX(ジョエル時代)の名モデル、Archies Leftなどもホイのシェイプだったそうです。

写真のモデル“Magic(マジック)”はジョエルのフィードバックを活かしてアップデート。より現代的な仕上げになっています。

ただし、同じサンディエゴ・エッグがベースといっても、上で紹介したクリステンソンのHuntsmanとはかなり異なり、全体のボリューム感もレール厚なども、こちらの方がかなり厚め。サーファー個々の好みによりますが、普段ロングボードを扱っている人のほうがフィットするのは早いかもしれませんね。逆に、短いボードがメインの人なら、ロングボードのような極上のグライドを味わえそう。その感覚もまさにマジックだろうな、と思います。なお、グラッシングはスーパーウルフこと、名匠アレックス・ビラロボス。抜かりなしです。

 

* * *

 

#06

McCALLUM

 

◎モデル:Purple Stuff
◎サイズ:5’5″
◎フィン:ツイン・ボックス
◎価格:¥213,290

 

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マッカラムはオルタナティブ・ボードシーンきっての個性派であり実力者。

シェイプはひと目で彼と分かる特徴的なアウトラインを称えながら、各ディテールを突き詰めていくと、どのモデルも非常に理に適っていて、これまで何度も、そうきたか、と唸らされてきました。芸術レベルのグラスワークもつとに有名。個性と機能を高い次元で融合し、オンリーワンの世界観を証明してきたビルダーなので、カリフォルニアに限らず、マッカラムに影響を受けた若手シェイパーは本当に多いです。

さて、今回オッシュマンズがオーダーしたのは名機“Purple Stuff(パープルスタッフ)”。しかもこのボード、まさにスペシャルなサプライズが仕込まれています。マッカラムは兼ねてからディケール代わりに1$紙幣を入れてラミネートするのですが、なんとこのモデル、2020年の原宿店再オープンにちなんで20$紙幣になっているのです。。こんな遊び心もマッカラムの魅力。そしてこのグラスワーク、果たしてどれだけの手間ひまが掛けられているんでしょう……工程を想像しただけでぞくぞくします。

パープルスタッフはインプレッション企画をはじめ、これまで何度もBlue.の誌面を飾ってきてくれたモデルなので、性能については太鼓判です。

2000年初期、多くのシェイパーがこぞってサンディエゴ・フィッシュをリリースする状況を鑑み、マッカラムはフィッシュのシェイプをしばらく封印。そんななかで作られた新しいアプローチのツインフィンが、パープルスタッフでした。フィッシュテールに対して大きなアークテール。ツインキールに対してしっかりとレイクとフレックスをもたせたカッタウェイ・フィン。そしてマッカラム固有のボリュームバランスを駆使し、オーバーフローが生み出す圧巻のドライブ&フローを表現しています。そのうえで、ツインフィンと幅広のアークテールが軽快なターン性能を導くのです。

ちなみにBlue.は撮影でモモ~ダブルまでテスト済み。素晴らしい機動性に感動した編集長が、撮影後に即オーダーしたのでした。

 

……以上!

自分で書いてて欲しくなってきちゃいましたが、こちらのボードはすべて量産品ではなく一点もの。もしかしたらこれを読んでいる間にもどなた様かがひと足早く新生オッシュマンズ原宿店へ向かっているかもしれません。ので、気になる方はお早めにどうぞ。

あーやっぱりサーフボードの紹介はどうしても長くなりますね。最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございました。

そして最後になりましたが、新生オッシュマンズ原宿店、オープンおめでとうございます!

 

 

オッシュマンズ原宿店
http://www.oshmans.co.jp/

 

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photo◎Junji Kumano

text◎Blue. Magazine

 

 


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