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Keep Walking vol.01 三浦理志

posted Oct 29, 2020

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Keep Walking

presented by Johnnie Walker

 

サーファーが一本の波に身をゆだねる時間はごくわずか。それでもサーファーたちは一瞬の輝きのために、ひたすらパドルし続ける。漕いでも漕いでも沖へたどりつけず、途方に暮れることもある。直面してきた困難を挙げたらきりがない。それでもサーファーたちは気づけばまた海の前に立っている。目の前の壁を乗り越えた先にこそ、笑顔があると知っているから。

 

自分らしく歩き続ける男たちを紹介する誌面連動企画「KEEP WALKING presented by Jonny Walker」、記念すべき第1回はマーシーこと、モデルの三浦理志さん!

 

* * *

 

Story 1 / MODEL

「好き、とはちょっと違うかな。胸を張って、仕事です」

 

──テーマは「キープウォーキング」です。モデル、サーフィン、料理……どれも長く情熱を注いできたマーシーさんにぴったりのテーマかと思います。まず、モデル歴はどれくらいですか?

 

マーシーさん(以下M) 18歳からやってます。途中、料理を学ぶためにニュージーランドへ行ったりして4年ほど休んでいた時期があったんですが、それを除いても20年以上はやっているので、人生の半分以上ですね。

 

──そういえばマーシーさんの実年齢を知りませんでした(笑)。でもモデルは「見た目年齢」こそ大切だと思うので、このまま知らずにいようと思います。モデルになったきっかけは?

 

 高校を卒業してしばらくプータローだったんです。お弁当屋さんでバイトをしながら、サーフィンしてました。ある日、友達の知り合いが「モデル事務所をやるから会いたい」って言ってくれたんです。モデルなんてまったくイメージが沸かなかったんですが、会ったら「やれるよ!」と言ってくれて、すぐに宣材写真を撮影して『Fine』編集部へ挨拶に行くと、なんと仕事をくれたんです。コカ・コーラのタイアップ。それが最初の仕事でした。以後は、いろんなメディアのお世話になってきましたね。

 

──モデルは楽しい仕事ですか?

 

 仕事だから楽しいことも、うまくいかないこともありますよ。でも仲間もたくさんいるし、現場はやっぱり楽しいですね。

 

──勝手ながら、マーシーさんがモデルという仕事を好きだと感じているとは思いませんでした。あまり目立ちたい性分ではなさそうだから。

 

 好き、とはちょっと違うかな。胸を張って、仕事です。

 

──やめたいと思ったことは?

 

M いちどやめましたよ。それが前述したニュージーランド時代です。20代半ばに同世代のモデルたちがいろんな道へ進むようになって、俺もこのままでいいのかな、と考える時期がありました。当時は30代、40代でモデルを続けられるなんてイメージ、なかったですから。今こうして仕事を続けられているなんて驚きです。

 

──マーシーさんが20代だった頃は、10~20代をターゲットにしたファッション誌がとても元気な時代ですよね。

 

 僕らは雑誌世代で、読者の皆さんと一緒に歳を重ねている感じです。僕の今があるのは皆さんのおかげ。

 

──20代当時の同世代モデルはすごいメンバーですよね。大沢たかおさん、マーク・パンサーさん、竹野内豊さん、反町隆史さん……。

 

 そうですね。軌道にのった人もいれば、うまくいかなかった人もいるし、まったく違う道に進んだ人もいます。僕の場合は、すくなくとも俳優という選択肢はなかったですね。お話をいただいたこともありましたが、やっていけるなんて思えなかったし、それ以前に興味を持てませんでした。

 

──それで、ニュージーランドへ行ったわけですね。そのお話は後ほど伺うとして、モデルだって演じる職業だと思いますが、マーシーさんって、誌面で見る姿と、プライベートでの姿があまり変わらないような(笑)。

 

 リアルに素ですから(笑)。そのまんま出ています。

 

──やっぱり! モデルというより、ひとりの男として出ている気がします。でも、それが許されるのだからすごいことです。今後もモデルを続けていきますか?

 

 もちろん。求めてもらえる限り。

 

──ちなみに、ファッションは好きなんですか?

 

 たぶん、業界内ではぜんぜん好きなほうではないと思います(笑)。おしゃれな人の情熱はすごいですから。

 

 

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Story2 / SURFING

「サーフィンがすべてを結び付けてくれました」

 

──ではサーフィンのお話を。心の底からサーフィンを愛してますよね、マーシーさん。

 

 もちろん!

 

──始めたのはいつですか?

 

 15歳。高校1年の春です。サーフィンをやってる友達がいて、彼のウエットスーツを3人で交代して着ながら海に入りました。波のない日の鎌倉高校前だったんですけど、教えてくれた友達のパドリング姿を見て「サーフィンってかっけーな」って思ったのを覚えていますね。

 

──つまり歴はモデル以上ですね。プロサーファーになりたいと思ったことはないんですか?

 

 ないない! プロとはぜんぜんレベルが違うから。ストイックに努力してきたというより、純粋に楽しいから続けてこられたのだと思います。

 

──日焼けした色黒のモデル像を確立したのもすごいですね。

 

 若いころは怒られましたよ(笑)。ウエットスーツ焼けとか。皮がむけていたりしたら、すげー怒られました。なので、僕なりに努力はして、ラッシュガードの襟や袖のひもをほどいてゆるゆるにしたり、ウエットの裾を折ったり伸ばしたりして、日焼け跡がぼやけるようにしていましたね。

 

──マーシーさんに「怒られるからサーフィンはしない」という選択肢はなさそうですしね。マーシーさんだから許されたという部分もありそう。

 

 そういうところもあるかも……。

 

──話は戻り、人生をやり直せるとしてもプロサーファーにはなりませんか?

 

 なりません。勝たなきゃいけない、結果を出さなきゃいけないって生き方は、本当に大変ですよ。僕には合っていない。楽しい気持ちをキープできなそうだから。

 

──好きなサーファーはいますか?

 

 若いころはトム・カレンやブラッド・ガーラックが好きでした。ライフスタイルとかじゃなく、とにかくサーフィンがかっこよかったから。ロス・ウィリアムスのカービングも最高だったし、ロブ・マチャドも好きですよ。みんなそうだと思うんですけど、自分と体型が近いサーファーって気になりますよね。僕の場合は体の線が細いサーファーはつい見ちゃいます。

 

──サーフトリップもかなりしていると思います。思い出の旅先は?

 

 すべてが思い出の旅だけど、しいて挙げるならメキシコのサーフキャンプ。かつてのモデル仲間で、現在はカリフォルニアに住みながらアックス・クラシック(日本が世界に誇るウエットスーツ・ブランド。マーシーさんもコラボレーターのひとり)の仕事をこなしているエリックに連れていってもらった旅です。これぞリアル・サーフキャンプというか、サバイバルというか、本当にひとっ子ひとりいない道を走って、キャンプしながらバハ・カリフォルニアを進むんです。治安を気にするとかじゃなく、そもそも人がいない。トイレも穴を掘ってするようなレベルです。当然、海にも誰もいなくて、ワイルドな波がブレイクしているけど、地形なんて分からない。そういう場所でサーフィンするんですよ。食事と水は携帯してすべて自炊で、泊りはテントか、そのまま地べたに寝袋を敷いて寝てました。今思い出しても、あれは“ザ・サーフトリップ”だったな。

 

──まさに今日のサーファーのほとんどが体験したことのない、本当のサーチですね。うらやましい! 日本では生粋の湘南っ子のマーシーさんですが、それ以外の地に住もうと思ったことはないんですか?

 

 なかったですねぇ。でも、最近もうすこし海から離れた山沿いもいいな、と思うようになりました。秦野のほうとか。海沿いは人がすごいし、20~30分で海に行ければ、そのほうが楽かな? って。そういえば、最近ミッドレングスのサーフボードを削ってもらったんです。7′のシングルフィン。ずっと短いボードばかりだったけど、長いボードに乗るとサーフィンの幅が広がりますね。

 

──好きな波質は? 大きい波にも乗りますか?

 

 少なくともビッグウェーバーではないです。カタ~アタマオーバーくらいのファンウェーブがいちばん好き。技術的にはとにかくチューブがうまくなりたい! チューブライドは本当にむずかしい。特にテイクオフからすぐに掘れて巻いてくる波は……ブツブツ。

 

──十分レベルの高い話ですし、マニアックだと思います(笑)。ずばりマーシーさんにとってサーフィンとは?

 

 純粋な遊びです。サーフィンのおかげで僕の人生のすべてが豊かになりました。友達ができて、いろんな国へ行けて、たくさんの景色に出会って。サーフィンをしていなければニュージーランドへ行くこともなかっただろうから、料理もしていないかもしれない。あらゆるものを結びつけてくれた存在ですね。

 

 

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Story3 / EAT&DRINK

「もしも毎日いい波だったら飽きるんです。楽しさもいっしょ」

 

──では、これまで何度か出てきたニュージーランドというワードについて教えてください。モデルをやめて、料理を学ぶためにニュージーランドへ行ったんですよね?

 

 そうです。26歳だったかな。それまで僕はモデルしかやってきていなくて、まわりのモデル仲間がいろんな道に進みだして、この先の生き方についていろいろ悩んでいた時期でした。なぜニュージーランドだったのかというと、叔父がウェリントンという町でレストランを経営していたんですよ。あるとき、その叔父が日本に戻ってきて「料理人を探している」って言うんです。僕はもともと食べることが大好きで、おぼろげに料理に興味があったので「俺行きたいな」って叔父に返すと「お前はちゃらちゃらしてるからダメだ」って言われました。でも叔父の姉にあたるうちの母親が、僕がけっこう真剣に今後について考えていると叔父に伝えてくれて、「じゃあ、せめてしっかり魚をさばけるくらいトレーニングしてから来い」と課題を与えてくれたんですよ。それから毎日、友達の魚屋へ手伝いにいって魚をさばきましたね。

 

──NZへ行くまでは料理人になろうとは思っていなかったのですか?

 

 具体的には思っていませんでした。でも、ずっと興味がある分野で、簡単な料理でしたが作ることも好きでした。当時、アメリカのテレビで主役の面白いおじさんがスタジオで料理を作って、客席にいる女性を招いて食べさせてあげる、という内容の番組があって、それが大好きでよく見ていたんですよね。俳優になろうとは思いませんでしたが、料理番組だったら今でも出たいです(笑)。

 

──帰国後、またモデルの道に戻ったのはなぜだったんですか?

 

 まる2年NZで修行して、帰国後に藤沢の魚介のお店で働きだしたのですが、椎間板ヘルニアになってしまったんです。半年くらいは料理もサーフィンもできず、リハビリ生活でした。そんな折、せめて調子がいいときは少しでも稼がなくちゃ、と思っていたところにモデルの声が掛かって、最初はバイトのつもりだったのですが、だんだん忙しくなり再び仕事になっていきました。でも、やっぱり料理が好きだったのでブログを始めたんですよ。それが今につながっているというか、モデルを続けながらも料理が僕の大切な個性になっていきました。モデル業にもプライベートにも、すごく活きてます。

 

──そんな経緯があったんですね。腰はもう大丈夫ですか?

 

 おかげさまで今は大丈夫です。仕事のためにもサーフィンのためにも、ストレッチだけは毎日欠かさず続けています。腰をわるくしたのも流れだと思うし、それがあったからこそ今の自分があると思ってますし。

 

──料理の話に戻りましょう。ジャンルはありますか?

 

 つくるのは家庭料理ですよ。ジャンルにこだわりはなくて、サーフトリップで出会った美味しい料理を自分なりにアレンジして再現する、とかはよくやりますね。『オーシャンズ』のミウラメシもそんな発想です。

 

──野菜も自分でつくってますよね。

 

 もう10年くらい続けていますね。メジャーな野菜はほぼ作っていると思います。見た目は不格好だし、商売にしようと思ったことはないけど、自分で作った野菜はかわいいし、美味しいですよ。時間があればできるだけ行ってますけど、最近は週2回くらい。本当は、夏野菜なんかな1日2回見たほうがいいくらいだから、理想は家の敷地に畑があるのがいちばん。そう考えると山の方もいいな、と思うようになったんですよね。

 

──お酒も大好き! ですよね? 何を飲んでますか?

 

 大好きです! とりあえずビール。そのあとにワイン、焼酎、ハイボールの3択。料理次第かな。

 

──基本は毎日飲みますか?

 

 近年は次の日が仕事だったら飲まないようにしてるんです。次の日が休みなら、心ゆくまで飲みます。休みの日はサーフィンと畑以外ではほぼ出掛けません(笑)。

 

──お酒が大好きなのに仕事前夜は飲まないなんてすごいですね。お酒はどういう存在ですか?

 

 ごく当たり前の存在、かな。もし仕事の絡みがなければ、量でいったらお茶や珈琲より飲みますよね。トリップ先でも欠かせない存在ですし。

 

──ひとりでも飲みますか?

 

 機会は多くないけど飲みますよ。仕事で地方へいったときに知らないお店に入るのは大好きです。地元の人に尋ねればいいお店を教えてもらえるので、新鮮で美味しい食とお酒に出会えますよね。

 

──今日はジョニーウォーカーのハイボールを用意しました。ジョニーウォーカーは1820年の創業で、なんと200年も愛されているスコッチウイスキーです。ボトルの販売数量は世界一だとか。

 

 おー、僕の親父も飲んでましたよ。

 

──ハイボールが火付け役になって、いまは若い世代にもウイスキーが身近になってきましたよね。マーシーさんも飲みますか?

 

 ハイボールは大好きで、すっきりしているし料理にも合わせやすいからよく飲みますよ。でもロックは映画の世界に入り込んだようなイメージ。朝いい波に乗った日の夜に、その余韻といっしょにゆっくり飲むとかは最高かもしれませんね。バーでもいいし、家でもいいし。

 

──たしかに、ロックのウイスキーって「余韻」を楽しむお酒かも。そしてマーシーさんや僕らの世代だと、ウイスキーってちょっと背伸びしてるイメージでしたけど、今の20~30代の子たちは普通に付き合えそうな勝手なイメージがあります(笑)。

 

 落ち着いてる子が多いですよね。仲間同士で楽しく飲むならハイボールも最高だし。うん、美味しいです! このハイボール。揚げ物はもちろん、野菜やお肉にもよく合いそう。

 

──それにしても、マーシーさんって本当にいつもニコニコしてますけど、悩んだり落ち込んだりすることはないんですか?

 

 ありますよ! 人間ですから(笑)。

 

──どんなことで?

 

 物事がうまくいかないときとか、自分のせいで、とか、なんであの時ああしなかったんだろう? とか。たまにですけどね。

 

──そういうとき、どうやって抜け出すんですか?

 

 仲間と会ったり、サーフィンしたり。あ、いちばんすっきりするのは自然のなかに身を置くこと。きれいな自然を眺めると落ち着きます。シンプルだから。昨日も犬の散歩しながらいいサンセットを見られて最高でしたよ。

 

──シンプルにして最上ですね。もしかしたらマーシーさんの安定感の秘訣も、そこなのかも。

 

 分からないけど、好きな物事が明確ではあります。あれこれ増えてもめんどくさいですからね(笑)。

 

──何事においても、つづけるっていちばん難しいことだと思うのですが、マーシーさんは公私において趣味や仕事がブレずに続いてますよね。長く続けることで気づいたことはありますか?

 

 仕事においては、感謝の気持ちをもつようになりました。それが、仕事の前日にお酒を飲まなくなった理由です。僕の仕事は誰かに喜んでもらえてなんぼだから。

 

──若い世代にアドバイスするとしたら?

 

 楽しむことじゃないかなぁ。つらいときはもちろんあるけど、ずっと楽しかったら、たぶん楽しくないんです。つらいことがあるから楽しいのであって。

 

──たしかに、いろいろあるからこそ楽しんですよね。やっぱりシンプル。

 

 サーフィンだって、ずっといい波だったらあきるでしょ?

 

──名言。マーシーさんが誌面でも素のままで許される理由がわかる気がします。飾らずに自然体でいるって、じつは難しいことのはずなのに、マーシーさんは常に人に見られる仕事にもかかわらず、それができるんですよね。

 

 ありがとうございます。単純なだけですよ(笑)。でもラッキーだと思ってます。ありのままの自分を受け入れてくれる人たちが周りにいてくれることが。やっぱり感謝しかありません。あと、怒られながらも日焼けだけは隠せないので(しない努力はしつつ)つらぬいてきました。だって、サーファーなので。

 

 

presented by Johnnie Walker

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